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ZATTOMee! ~研究者の投資blog~

米国企業・業界を”ざっと見”するブログ。初めての方でも興味を持ってもらえるよう、5年後、10年後に少しでもいい生活ができるように勉強したことや実践したことを発信中!

【WFG】West Fraser Timber ~住宅の川上、カナダの材木メーカー~【ZATTOMee!】

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どうも。(。・ω・。)

ひーくんです。

 

今回は7日に決算が発表された木材メーカー、「West Fraser Timber($WFG)」に関する記事です。

 

 

日本の住宅業界でも耳にするようになった「ウッドショック」、米国の住宅や材木業界にはどのような影響が出ているのでしょうか。

$WFGの業績と合わせてみていきます。

 

 

それではさっそく始めましょう!

 

 

 

 

 

 

 

West Fraser Timber($WFG)ってどんな会社?

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企業概要

◆カナダの材木メーカー。材木(Lumber)や集成材(Engineered Wood※)、ファイバーボード、パルプ、ライナーボードなどを製造する。

◆幅広い住宅・建築物のニーズに対応した製品を提供する。

$WOODの組み入れ上位銘柄。

※集成材(Engineered Wood):断面寸法の小さい木材を接着剤で再構成して作られる木質材料である。構造用と造作用に分類され、主に建材やテーブルの天板などの家具素材として用いられる。

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WGF:提供している材木の種類は非常に豊富

 

 

 

ビジネスモデル

◆住宅用(新築・リフォーム)の材木が売上の4分の3を占める。

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WGF:米国市場の売上構成

 

◆米国OSB市場のトップシェアを誇る。

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WGF:West Fraser is a Leading OSB Producer

 

 

マーケット

過去1年間で木材の価格は急騰(△400%)しています。

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シカゴ木材先物価格の推移(Bloomberg

 

※材木市場の詳細はこちらの記事をご覧ください。

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hideson-gifufufu.hatenablog.com

 

 

◆材木の生産量・供給量を引き上げるにはハードルが高い。

  • 北米全体の材木(Lumber)生産量の伸びは、原木の入手可能性がカギとなる。米国南部は最も生産拡大の可能性がある地域だが請負業者や設備の稼働率に制約がある。
  • 世界的な金融危機以降、住宅着工件数の回復が緩やかかつ長期化しており、木材生産能力を増強するための投資は経済的に難しい。
  • 大規模なOSB工場の建設には多額の資本金が必要。

→$WFGはジョージア州ダドリー工場などの生産能力をさらに拡大中!

 

 

◆住宅着工件数が2006年以来の高水準。

→木材、OSB、合板、LVL、MDFなどの需要を引き上げている。(特に住宅はOSBの割合が高く、住宅需要=OSB需要につながりやすい?)

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WFG:U.S. Housing Starts (not seasonally adjusted)

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WFG:North America Lumber End Use, Domestically Produced Panel Consumption

 

 

◆材木の不足・価格上昇(ウッドショック)が生じている。

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ウッドショックイメージ図(著者作成)

住宅などに使用する木材の供給が逼迫しているために価格が急騰、住宅価格も高騰してしまっています。(一部の輸出品は、北米市場向けに方向転換しているようです)

htonline.sohjusha.co.jp

 

ウッドショックには様々な要因が関わってきており、主に次の理由で木材の価格が急騰したと考えられています。 

①コロナショックで住宅市場は一時生産を止めていた

②低下していた住宅需要がワクチンの普及による急激な回復

③コロナによる在宅+広い戸建て住宅の需要

世界的なコンテナ不足

 

◆「材木」企業は非常に数が多く、トップシェアでも11%程度しかない。

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材木市場のマーケットシェア(West FraserのPresentationより)

 

 

  

業績

2021Q1

☑ Revenues:$2.3 billion(△163%, YoY, △81%, QoQ ←vs $2.19 billion

☑ Adjusted EBITDA:$1,008 million(△$940 million, YoY)

-Lumber segment:$646 million(YoY△12倍, QoQ△52%)
-Panels segment:$364 million(YoY△60倍, QoQ△658%)
Pulp & paper segment:$11 million(YoY△38%, QoQ△$31 million)

  • 原木コストは上がっているものの、合板の価格上昇と堅調な合板需要などで相殺(むしろプラス)出来ている様子
  • パルプ事業については、北米における印刷・情報用紙の消費量は引き続き減少するものの、アジアの需要改善によって相殺。

☑ Gross margin:55.6%

☑ Net earnings:$665 million(△$657 million, YoY)

☑ EPS:$6.96(△$7.05, YoY) ←vs $6.20

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WFG:Condensed Consolidated Statements of Earnings and Comprehensive Earnings

 

 

2020Q4

☑ Revenues:$1.68 billion(△50%, YoY) ←vs $1.54 billion

☑ Adjusted EBITDA:$453 million(△$546 million, YoY)

-Lumber segment:$425 million
-Panels segment:$48 million
Pulp & paper segment:-$20 million

☑ Gross margin:22.0%(△24.7pt, YoY)

☑ Net earnings:$366 million(△$408 million, YoY)

☑ EPS:$4.92(△$5.08, YoY) ←vs $4.14

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WFG:Results Compared to Previous Periods

 

 

 

株価

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WFG:5月以降の値動き

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WFG:直近5年の株価推移(Bloomberg

 →今月に入っても堅調に株価を伸ばして決算を迎えています。Revenue・EPSともにクリアしたにもかかわらずアフターではほぼ反応なし(△0.08)。

コンセンサスが$ CADで出ていたので間違えている人がいたりするのかな…?

 

 

トピックス

2021年2月1日にNorbord社の買収を完了。

→北米、欧州、アジアにおける製材、パネル、パルプ、OSBなどを展開するグローバルな木材製品のリーディングカンパニーに。

 

◆B.C やAlbertaなど特定の州では、伐採された木材に対して「stumpage fee(伐採権費)」の支払い義務がある。

・Alberta:丸太を加工する製品の販売価格に応じて決定。

・B.C.:特定の公的木材伐採権オークションで決定。

 

◆BC州の木材供給に関する問題も生じており、伐採・加工される木材の減少に大きく影響していく可能性もある。

1)政府による年間許容伐採量(AAC)の削減

2)松くい虫と森林火災による森林減少

3)工場の閉鎖

→WFGのカンファレンスコールでは、「Q1はカナダでの出荷問題により、1億ドルの在庫が発生した。 Q2にはすべて出荷され、Q1よりもEPSは改善するだろう」と言っていますが、どうなんでしょうね。

 

 

 

まとめ

それでは今回の記事をまとめます!

 

POINT
  • 住宅需要+サプライチェーン混乱で材木価格は高騰中!
  • 需要はしばらくは続きそう!(メーカー予想は最短で2022年)
  • 設備投資しにくい加工材木のトップシェアを持つ!
  • 決算は。コンセンサスもクリア!QoQでも大きく成長!
  • 自然災害や州の規制などによる材木の不足がリスク!
  • 楽天証券では取り扱いはありませんので悪しからず…!

 以上です!

 

 

ほんとこういう銘柄に限って取り扱いがないんですよね…!頼みますよ、楽天証券さん。^^;

 

 

それではまた。