【業界ざっと見!】~鉱山素材編~【ZATTOMee!】
どうも。(。・ω・。)
ひーくんです。
今回のざっと見シリーズは「鉱山素材」編です!
今年に入ってから「ハイテクグロース銘柄」があまり元気がありません。そんな中でもシクリカル銘柄は堅調な業績も多く、今回ピックアップする鉱山素材もその内の一つです。コロナ収束に向けて一足早く業績が伸び始めている印象です。
それではさっそく始めましょう!
「鉱山素材」ってどんな業界?
今回の記事では、
「銅、鉄鋼、卑金属などを採掘・製造する会社」をまとめて指します。
これは「シクリカル銘柄」としてよく知られており、工業などの製造業が活発になると引っ張られて業績を伸ばす印象があります。
ワクチンの普及が進み、感染者数が減少してきている米国や中国などでは、経済再開に向けて鉄鉱石などの需要も高まってきており、各素材メーカーの業績も上向いているようです。
またバンクオブアメリカ(BofA)のレポートでは、次に波が期待できる3つのセクター(業界)として、「素材(金属資源)」が挙げられています!
また近年、消費者・政府・投資家にとって「ESG」の重要性が高まっており、素材メーカーにも環境に配慮した製品開発が求められています。
- 消費者:低炭素製品やサプライチェーンへの関心の高まり。
- 政府:排出量の価格設定や規制による脱炭素化の動き。(EU、中国をはじめとするカーボンプライシングやCO2ネットゼロ、米国のパリ協定再加盟など)
- 投資家:気候変動リスクに対する関心の高まり。(ESGに特化した私募ファンドや公的ファンド)
「鉱山素材」ってどんなものがあるの?
では今回の記事でピックアップする素材(Materials)を見ていきましょう!
① 銅(Copper)
・銅は加工しやすい上、電気や熱を通しやすい性質があるため、私たちの生活になくてはならない存在です。社会インフラの中で重要な電線などの電力、家庭用生活家電などの電気機器、自動車、配線などの輸送、配管の金具などの建設など、その用途は身近で多岐にわたります。
・中国とアジアで世界の銅使用量の約50%を占めています。また用途で見ると、建設、電力が大きな割合を占めています。
→こういったことを考えると、電気自動車や再生可能エネルギー技術に伴う銅の消費量は、今後数年間で急速に増加することが期待されそうですね。
また銅は様々な工業品に使用されているため、経済動向が上向く前から上昇することが多く、経済状況を見る先行指標としても知られています。(「Dr. Copper」なんて呼ばれています。)
マーケット
銅の消費量は緩やかながらも増加傾向にあります。近年は、生産量を上回りながら増加しています。世界中にはさまざまなリスク・懸念がありますが、世界全体としては銅の消費は増加していると言えます。
米国では、銅の先物価格(LME)が一時$10,000/tを記録して1年で約2倍の価格となっており、2011年の最高値($10190)目前まで迫っています。
→「世界経済の回復」+「財政政策によるマネー膨張」+「脱炭素需要」によるところが大きいとみられています。(銅は電気自動車や太陽光発電、風力発電などに活用されています。)
この記事では、Goldman Sachsは産業の変革に絡め、銅を"new oil"と表現しているようですね。(※経済の心臓となる、と位置づけているようです)
また中国で最も取引されている銅の先物価格(COMEX)は、2021年4月末頃に、7,000元/トンを超え、2011年8月以来の高値を記録しました。
→2021年に入ってワクチンの普及が進み、急激に経済再開が意識され始めた頃から銅の先物価格も大きく上昇しています。
2020年と比較した同価格の推移の表も乗っけておきます。
→昨年平均、前四半期と比較しても銅価格が大きく上昇していることがわかります。(ちなみに銅以外の金属価格も上昇しているようです)
さらに「国際銅研究会(ICSG)2020年10月総会報告」では、次のようなことも予測されています。
- 2020年世界銅消費量(中国除く):COVID-19の影響により9%減少。
→EU (▼8%)や米国(▼6%減)、インド、日本、ASEAN などで大幅な減少。
- 2021年世界銅消費量(中国除く):世界経済が全般的に回復し5%増加。
- 世界の銅需給バランス:2020年は5.2万トンの供給不足、2021年は6.9万トンの供給過剰になる。
銅は経済活動に欠かせず、現代の技術社会には必要不可欠であるため、需要は継続的に伸びていくと予想される。中国やインドなどの主要国のインフラ整備・クリーンエネルギー移行への世界的な流れが銅の需要を支えていくことになる。
※参考※
1)世界の銅鉱石生産量(2020年以降は予測)
-2019年:2,053万t
-2020年:2,022万t(▼1.5%)
COVID-19感染拡大の影響によって、チリを除くペルーや多くの国での一時的な鉱山の操業停止が要因。(2019年に発表した予測から▼70万t)
-2021年:2,115万t(△4.6%)
COVID-19からの回復や鉱山の新たな操業、拡張、大規模プロジェクトの立ち上げなどによって増加すると予測。
2)世界の銅地金生産量
※地金(じがね):金属を貯蔵しやすいような形で固めたもの。(特に金や銀では「延べ棒」とも)
-2019年(実績):2,405万t
-2020年(予測):2,443万t(△1.6%)
インドなどでの製錬所の操業停止、COVID-19によりベルギー、ブラジル、インド、米国などで生産量が減少。しかしチリやザンビアの生産は大幅に回復し、コンゴ民主共和国の生産も引き続き増加する。
-2021年(予測):2,482万t(△1.6%)
鉱山生産量の伸びが少ないため増加は限定的だと予想されるものの、SX-EW(Solvent Extraction-Electrowinning、溶媒抽出-電解採取)の生産はコンゴ民主共和国の増産と米国での新規製錬所の操業開始により回復すると予想。
② 鉄鋼(Steel)
・鉄鋼(Steel)は、その耐久性とリサイクル性から、持続可能性の向上に自然に適合しています。またクリーンエネルギーのインフラ整備や温室効果ガス排出量削減に不可欠な要素であり、太陽光発電、バイオ燃料、風力エネルギー、グリーン建築、低炭素輸送など、持続可能な産業には欠かせません。
・米国の鉄鋼業界は、世界で最もクリーンでエネルギー効率の高い業界のひとつであり、世界の7大鉄鋼生産国の中で最もGHG強度が低い国でもあります。
→現代の工業と鉄鋼は切っても切り離せないものになっています。鉄鋼企業の主要な顧客先となる業界を上げると、こんな感じです。
自動車、家電、コンテナ、産業機械、建設、石油・ガス etc...
米国市場を例に挙げてみてみると、
◆自動車:2021年3月の自動車販売台数は1,775万台
→好調な販売により、在庫水準は39日供給という低水準になっています。2021年後半から2022年にかけて、自動車メーカーは生産を加速する。
◆建設:2021年3月の着工面積は4億4,000万平方フィートと世界金融危機以降で最高。
→新築および中古住宅の在庫は少なく、建設市場は数四半期にわたって良好な状態が続くと思われる。
◆家電:第1四半期としては過去最高、消費者向け市場が引き続き鉄鋼需要を支える。
鉄鋼市場の各セグメントの需要が高まっており、鉄鋼市場全体が盛り上がっているのがわかりますね。^^
マーケット
鉄鋼・製鉄市場では、主に次のような動きが見られます。
・堅調な需要と市場のファンダメンタルズに対する継続的な信頼感
・原料価格の下支えによる高炉やEAFなどの製鋼原料コストの上昇
・鉄鋼サプライチェーンの在庫不足
また先日の記事では次のようなことも書かれていました。
- 鉄鉱石は、$188/t(2011年最高値)を超え、最高値を更新中。
- 中国の製鉄所では$780/t前後(12年ぶりの高値)で販売しており、国の在庫水準が低いため、鉄鋼製品の価格上昇圧力に。
- 製鉄所のマージンは依然として高く、鉄鋼の生産をやめることはない。
- 鉄鉱石市場の供給側は、価格と需要の上昇によって逆に影響を受けている
→低価格で輸出していた中国製品が値上げされると全世界で波及効果があるとみています。さらに米国もバイデンによるインフラ投資によって鉄鋼需要はさらに高まるでしょうね。
→鉄鉱石価格の上昇は、BHP社(ASX:BHP)、Fortescue Metals Group社(ASX:FMG)、Rio Tinto社(ASX:RIO)など、オーストラリアの生産者にとってキャッシュフローの増加につながる、と記事内では言われています。
さらに中国市場に注目してみると、2021年3月の鉄鋼生産量は9,400万トン(△19%)と驚異的な伸びを示しており、年間生産量は11億3,000万トンに相当する。
※中国政府は最新の5ヵ年計画で、2035年までに160の新空港と3万2,000kmの高速鉄道を建設するなど、野心的な目標を掲げています。中国で生産される鉄鋼の多くは国内市場に投入され、新都市の建設や都市間を結ぶ交通インフラに使用されています。
→世界最大の市場である中国の鉄鋼市場がかなり堅調。
中国が中国東部の大気汚染問題に対処するために鉄鋼生産量を削減するという市場の話もあるが、上記したような中国の内情を考えると現実的ではないか?
→唐山地方などは重工業に依存している地域であり、高炉を停止することはないとの見方も。(と思っていたらやっぱり解除されましたね)
③ アルミニウム(Aluminum)
・アルミニウムは非常に軽量で耐久性も高く、リサイクル性も優れているために低炭素経済や新興市場の発展に不可欠な卑金属類。
・アルミニウムは「ボーキサイト」→「アルミナ」「アルミニウム」と製造される。
・低炭素素材に対する消費者の関心の高まりを受けて、需要も多様化しており、それを受けてメーカー側も幅広いアルミニウムの用途を開発、供給量も増やしている。
・アルミニウムの用途としては、建設、電気、パッケージング、耐久消費財、機械・設備などがあり、特に建設および電気における需要の継続的な増加が見込まれる。EVなどを含めた車両用アルミニウムも堅調である。
・アルミニウムも世界最大の生産国は「中国」なので、中国の需要や国策に大きく左右される。
マーケット
・アルミニウムの価格は、2018年以来の高水準となっている。
-マクロ経済の回復とスクラップ市場の逼迫による強い需要
-供給量の低下と運賃の上昇
またアルミニウム先物(LME)の価格も昨年後半あたりから上昇を続けている。
- 中国を中心とした世界需要の回復
- 中国への一次産品の輸入が好調で、スクラップの使用量が減少
- 製品はコモディティグレードから付加価値製品(VAP)へ。
ただし、ここ10年で世界最大のアルミニウム生産国家である中国での製品生産は年々スローダウンしている。これは、中国がCO2排出抑制に国家を上げて取り組んでいるためだと思われる。
※中国のアルミニウム生産の8割は石炭(火力発電)によるものなので、CO2排出に大きく寄与しているとされている。火力発電が削減される=アルミニウム生産も減少すると考えられる。(ただしその抑制には限界がある)
それではここで一旦、「鉱山素材」のマーケットをまとめてみます。
- コロナ収束による経済再開が意識されており、銅や鉄鋼などの素材需要が急増している!
- ハイテクグロースが不調な中でも堅調に株価を伸ばしている!
- 特にコロナ感染が減少している米国、中国での需要が強い!(政府方針としてのインフラ投資など)
- 世界最大のマーケットは「中国」。良くも悪くも中国次第、という側面もあるので国際的な動きには注意。
- コロナ感染が落ち着いていけば、停滞していた生産も再稼働するなど、2022年以降も増産が期待できる!
- ESGに対しても大きな責任を問われており、各企業がエコな取り組みをプレゼンしている。
それでは各企業を見ていきましょう!^^
素材・鉱物企業をざっと見しよう!
関連ETF
まずは「銅」「鉄鋼」「アルミ」のETF(上場投資信託)を見てみましょう。
Global X Copper Miners ETF($COPX)
ソラクティブ・グローバルコッパーマイナーズ指数(Solactive Global Copper Miners Total Return Index)に連動するETF。
→銅の探鉱や採掘・精錬に従事する約30企業に分散投資する。
United States Copper Index Fund($CPER)
ニューヨークマーカンタイル取引所で取引される銅先物価格(SummerHaven Copper Index-Total Return)に連動するETF。
※「銅そのものに投資する」ことを目的としたETFなので注意。
VanEck Vectors Steel Index Fund($SLX)
→鉄鉱石の探鉱や採掘・精錬に従事する約25企業に分散投資。
Invesco DB Base Metals Fund($DBB)
ベースメタル(卑金属)のアルミ、亜鉛、銅の先物契約から構成される指数に連動するETF。
※「ベースメタル自体に投資する」ことを目的としたETFということに注意。
→いずれのETFを見ても、コロナショック以降、2020年の水準を大きく上回る形で推移していることがわかります。
銅関連企業
Freeport-McMoRan Inc.($FCX)
企業概要
◆銅、金、モリブデン、コバルト、石油、ガスなどを扱う天然資源会社。
◆南北米(Cu、Mo)、インドネシア(Cu、Au)などで鉱山保有。
◆大規模生産を支える充実したインフラ整備も勧めており、Deep MLZ(DMLZ)およびGrasberg Block Cave(GBC)の1Q21の平均生産量は98,500 t/日
→20年4Qのレートを16%上回る生産量が期待される。
業績 2021Q1
☑ Revenue:$4.9 billion(△75%, YoY)
〈販売量〉
-Copper:825mm lbs(△13%, YoY)
※平均価格(Average Realization):$3.94/Ib(←$2.43/Ib)なので、Revenue換算するとYoY△83%となります。
-Gold:258,000 ozs(△79%, YoY)
-Molybdenum:21mm lbs(△0%)
☑ Net Income:$0.7 billion(△$1.2 billion)
☑ EPS:$0.48(△$0.82)
→販売量も増加していますが、それ以上に銅価格の上昇によってRevenueが大きく伸びていることがわかります。
株価
→コロナショック以降、するすると株価を上げています。コロナ前の水準も大きく超えて、既に2倍近く上昇していますね。
Southern Copper($SCCO)
企業概要
◆ペルーとメキシコで採鉱を行う銅山会社。露天掘り鉱山および治金施設を保有・運営し、銅、モリブデン、亜鉛、貴金属を生産する。
◆生産量:銅(84%)、モリブデン(6%)、亜鉛(3%)、貴金属(3%)
◆銅生産企業の中で、最も埋蔵量が多く、鉱山の寿命も長いとされている。
業績 2021Q1
☑ Revenue:$2,532.5 million(△47.3%, YoY)
金属価格の高騰が牽引している。
Copper (+50.4% - LME)、Silver (+55.8%) 、Zinc(+28.9%)
→売上減少と相殺した。Copper (▼4.5%) 、zinc (▼56.7%)
☑ Net income:$763.8 million(△255%, YoY)
☑ EPS:$0.99(△$0.71, YoY)
株価
江西銅業(0358)
企業概要
◆中国の銅生産会社。銅陰極、銅棒・線及び黄鉄鉱濃縮物、硫酸、電解金・銀とモリブデン等のレアメタルを含む他の関連製品の生産のための銅採掘、フライス加工、製錬、並びに銅関連製品の取引など。
◆中国最大級の露天掘り銅鉱山である徳興銅鉱のほか、坑内掘りの武山銅鉱など5カ所の鉱山を保有。
◆19年末時点の銅の確認埋蔵量は中国最大の915万トン。
業績 2021Q1
☑ Revenue:1020.36億元(△81.54%, YoY)
☑ Net income:8.59億元(△436.29%, YoY)
☑ EPS:0.25元
※参考(Net income)
-2019年 中間:14.12億元、期末:24.38億元
-2020年 中間:7.87億元、期末:22.28億元
→すでに昨年の半期分の純利益を超えてしまっている!
株価
→YoYで大きな成長を見せた化物級の決算でしたが、マーケットには既に織り込まれていたのか株価は下げていました。(決算跨ぎって難しいね。)
鉄鋼関連企業
BHP Group Limited($BHP)
企業概要
◆多角経営の鉄鉱石採掘企業。
◆オーストラリア、ブラジル、米国、トリニダード・トバゴで、鉄鉱石、銅、石炭、石油などを採掘・生産。
◆ブラジルのサマルコ鉱山をヴァーレと共同で保有しており、2020年末までに操業を再開する予定。
◆オーストラリアでサウス・フランク・プロジェクト(総額30億ドル以上、稼働予定2021年、年産8,000万トン)進捗中。
※BHPグループ(NYSE:BHP)、フォーテスキュー・メタルズ・グループ(ASX:FMG)、リオ・ティント(NYSE:RIO)、およびヴァーレ(NYSE:VALE)の4社が、鉄鉱石の世界海運輸出市場の70%という圧倒的なシェアで業界を支配しています。
業績 HF2020
☑ Revenue:$25.6 billion(△15%, YoY)
☑ Operating Profit:$9.7 billion(△17%, YoY)
☑ Net income:$4.82 billion(▼7%, YoY)
☑ EPS:$0.77(▼$0.19, YoY)
☑ ROCE(使用資本利益率):24%
※採掘量(2021Q)
-Iron ore:59.9 Mt(△0%, YoY)
-Copper:391.4 k(▼8%, YoY)
-Petroleum(石油):25.4 MMboe(△1%, YoY)
-Metallurgical coal(冶金用石炭):9.6 Mt(△4%, YoY)
-Energy coal:4.8 Mt(▼17%, YoY)
→多角経営はリスク分散になる一方、主力である鉄鉱石価格が上昇しても鉄鉱石専業のライバル企業に比べ業績がさほど伸びない可能性もあるか。
また化石燃料の生産も、再生可能エネルギーの利用が加速すると、その資源価値が大幅に低下する可能性があるが、鉄は風力タービンに欠かせない材料であり、そうした環境変化は鉄鉱石採掘企業にとっては一旦は有利に働くのでは?
株価
Rio Tinto($RIO)
企業概要
◆多角的な鉱山事業を営む企業。比較的クリーンな事業が特徴。
◆鉄鉱石(62%)、アルミニウム(17%)、銅・ダイヤモンド(15%)、エネルギー・鉱産物(7%)の四つの事業部門で構成。
◆鉄鉱石生産量:338 Mt(△2%YoY):世界最大の鉄鉱石関連資産の統合ポートフォリオ(鉱山数16、港湾施設4カ所、鉄道総延長1,000マイル)を運営。
◆世界最大の自動化トラックのオペレーターでもある。
◆炭鉱資産を売却=気候変動のリスク削減+B/S強化(業界トップの健全さ)
◆「ELYSIS」ゼロ・カーボン・メタルで新たな市場の獲得を目指す
→Appleの16インチMacBook Proに世界で初めて使用されている。
業績 FY2020
☑ Revenue:$44.6 billion(△3%, YoY)
-Iron Ore:$27.5 billion(△14%, YoY)
-Aluminium:$9.3 billion(▼10%, YoY)
-Copper & Diamonds:$5.4 billion(▼7%, YoY)
-Energy & Minerals:$5.0 billion(▼3%, YoY)
☑ EBITDA:$23.9 billion(△13%, YoY)
☑ Net income:$9.8 billion(△22%, YoY)
☑ EPS:$7.70(△$1.34, YoY)
☑ ROCE(使用資本利益率):27%
※鉄鉱石分野での投資はすべて枯渇する鉱山の生産量を補うことが目的なので、生産量の拡大が見込めない。(将来鉄鉱石需要が急増した場合、競合企業に遅れをとる可能性がある)
株価
United States Steel($X)
企業概要
◆北米および欧州で圧延・鋼管製品を製造する大手鉄鋼会社。
◆自動車、家電、コンテナ、産業機械、建設、石油・ガスなどの業種向けに事業を展開。
◆米「Big River Steel」社を買収。競争力を持つ製鉄会社(コイル、車体塗装)
業績 2021Q1
☑ Revenue:$3,664 million(△33%, YoY)
☑ EBITDA:$551 million(△15%, YoY)
☑ Net income:$283 million(△482 million, YoY)
☑ EPS:$1.08(△$1.81, YoY)
※各事業でのOPERATING STATISTICS
-Flat-Rolled:$888 million(△25%, YoY)
-Mini Mill:$967 million(今年から)
-U. S. Steel Europe:$748 million(△22%, YoY)
-Tubular:$1,372(△7%, YoY)
株価
Nucor($NUE)
企業概要
◆北米で最も多様な鉄鋼および鉄鋼製品を扱う鉄鋼メーカー。
◆鉄筋、エンジニアードバー、構造用鋼、炭素鋼板、薄板などの製品と技術を生産する北米のリーディングカンパニー。
◆事業は「鉄鋼」「鉄鋼製品」「スクラップ処理」
◆鉄筋、構造用鋼、炭素鋼板などに加えて、高速道路用、農業用、金属建築用、鉄筋加工用、鉄筋流通用、根太、デッキ、パイプ&チューブ、ワイヤー製品など、様々な用途に合わせて製造された特殊鋼製品も手がける。
業績 2021Q1
☑ Revenue:$7.0 billion(△25%, YoY)
☑ EBITDA:$1.30 billion(△789%, YoY)
☑ Net income:$942 million(47倍, YoY)
☑ EPS:$3.10(△$3.03, YoY)
株価
Cleveland-Cliffs($CLF)
企業概要
◆特注のペレット および熱間成形還元鉄(HBI)を製造する鉄鋼メーカー。
◆オハイオ州クリーブランドに本社を置き、米国およびカナダで事業を展開。
◆自社の製鋼を活用する川下分野と連携することで、革新的な鉄鋼製品が自動車メーカーやその他の用途に採用される
-Tubular Components:製鋼で自動車用の高度な管状製品を製造する
-Precision Partners:自動車市場向けの工具の設計・製造
◆主な製品は、圧延炭素鋼、ステンレス鋼、 電気鋼、鋼板、ブリキ鋼板、長鋼製品、炭素鋼管、ステンレス鋼管、熱間・冷間成形と工具など。
業績 2021Q1
☑ Revenue:$4,049 billion(△1028%, YoY)
☑ Net income:$41 million(△$93, YoY)
☑ EPS:$0.07(△$0.25, YoY)
株価
卑金属関連企業
Alcoa($AA)
企業概要
◆4大陸で事業を展開する世界第2位の鉱山会社。中国以外では最大の精製業者。
◆ボーキサイト、アルミナ、およびアルミニウム製品を製造・販売する金属製品メーカー。
◆CO2排出量が少ない企業であり、生産量の78%を再生可能エネルギーで賄う(目標は85%としてる)
◆ゼロカーボンアルミ「ELYSISTM」、低炭素アルミ「EcoLumTM」、低炭素アルミナ「EcoSourceTM」など環境面に配慮したアルミニウム製品を提供開始。
業績 2021Q1
☑ Revenue:$2.87 billion(△25%, YoY)
☑ EBITDA:$521 million(△62%, YoY)
☑ Net income:$175 million(△118%, YoY)
☑ EPS:$0.93(△$0.50, YoY)
※各セグメントのEBITDA
-Bauxite:$59 million(▼51%, YoY)
-Alumina:$227 million(△134%, YoY)
-Aluminum:$283 million(△56%, YoY)
株価
Century Aluminum($CENX)
企業概要
◆溶解一次アルミニウムとインゴットを米国の工場で製造する。
◆ウェストバージニア州レーブンズウッドで還元工場を所有・運営するほか、サウスカロライナ州マウントホリーの還元工場にも出資する。
業績 2020Q4
☑ Revenue:$389 million(▼11%, YoY)
☑ EBITDA:$0.8 million(△$32.2 million, YoY)
☑ Net income:-$35.5 million(▼$30.7 million, YoY)
☑ EPS:-$0.32(▼$0.35, YoY)
株価
ここまでざっと見てきましたが、いずれの素材についても、現在の市場のモメンタムである「アフターコロナ」+「金利上昇」を考えると、需要の面から見てもしばらくは強い場面が続くのではないかと思っています。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- 今年に入ってから素材系は強い需要に支えられて大きく業績・株価を伸ばしている業界!
- 「鉄鋼」「銅」「アルミ」はいずれも好業績!
- 「アフターコロナ」+「シクリカル(金利○)」の業界!
- 世界経済の影響をもろに受ける業界なので世界情勢は要チェック!
- いずれの素材も今後のトレンドである「EV」や「クリーンエネルギー」などには必須なので、今後も強い需要は続くと考えられる。
- 中国次第な点にはご注意を。
以上です!
こんなに身近にあるものなのに、全然知らないもんですね…。
大変勉強になりました。
それではまた。