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ZATTOMee! ~研究者の投資blog~

米国企業・業界を”ざっと見”するブログ。初めての方でも興味を持ってもらえるよう、5年後、10年後に少しでもいい生活ができるように勉強したことや実践したことを発信中!

【RKT】Rocket Companies ~住宅・自動車販売プラットフォーム~【ZATTOMee!】

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どうも。(。・ω・。)

ひーくんです。

 

今回は5日に決算があった「Rocket Companies($RKT)」に関する記事です。

※社名に「ロケット」入ってますが、住宅関連企業です。笑

僕は調べるまで宇宙関連だと思ってました。^^;

 

 

 

 

それではさっそく始めましょう!

 

 

 

 

 

 

Rocket Companies($RKT)ってどんな会社?

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企業概要

 

ミシガン州に拠点を置く金融サービス(不動産、住宅ローン)企業。

◆革新的なテクノロジーと6,600人以上の熟練アドバイザーからなる「Rocket Cloud Force」によって、住宅や自動車の購入といった複雑な取引を消費者が簡単に行えるように支援している。

 

 

 

ビジネスモデル

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RKT:サービスポートフォリオ

◆Rocket Auto:中古車販売プラットフォーム

◆Rocket Homes:住宅売買デジタルプラットフォーム

◆RocketMortgage.com:電話やチャットでのモーゲージバンカーとの対話、地元の住宅ローンブローカーとの連絡など、WEB上で簡単に住宅ローンの手続きができる。

Rocket Loans:無担保ローンなどデジタルパーソナルレンディング

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RKT:FY2020

Rocket Pro Insight(RPI):不動産業者に顧客の住宅ローンの状況をリアルタイムで提供するデジタルプラットフォーム。(不動産業者は45,000社超。△220%, QoQ

Rocket Logic:独自の次世代ワークフロー技術。(2021Q1ではローン取扱高の 34%超が処理され、全体処理時間が30%以上短縮)

Amrock:保険サービス、不動産評価、決済サービスを提供する

◆毎年何百万人もの顧客が車の購入、個人ローンの組み方、住宅ローンの組み方などで利用。(※データサイエンスによって$75 billion以上の住宅ローン申請量を推進)
→リアルタイムのインサイトによって革新、迅速なピボット、市場の変化の予測、そして場合によっては全く新しい会社を開発するなど正しい判断を迅速かつ効率的に行うための重要なマーケットアドバンテージ。

◆チームメンバー1人あたりの月間ローン成約件数:10.2件(業界平均の約3倍)

◆純顧客維持率:91%(~2020年12月31日)

→この指標と顧客生涯価値との間には強い相関関係があり、多くのサブスクリプション型ビジネスよりも優れている。

 

 

 

マーケット

米国は空前の「住宅ブーム」のようですね。

◆2021年3月期の新築住宅一戸建て販売数:102万戸(MoM△20.7%)

→半年前の1.5倍以上の水準です。価格上昇にもかかわらず、強い需要が続いています。明らかに住宅が不足していることが伺えます。

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米新築住宅販売の推移

 

◆販売されたのに建築されていない住宅数(Backlogs Builds)も増加しており、戸建て住宅の需要と供給のバランスが崩れていることが伺えます。

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米着工待ちの販売済み住宅件数推移(Bloomberg

 

 

◆米中古住宅販売件数:601万戸(MoM▼3.7%)と予想を下回るものの、中古住宅価格(中央値):32万9000ドルと過去最高。

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米中古住宅の販売件数と価格中央値の推移

→「在庫不足」と「価格高騰」が販売を抑制しているようですね。
物件価格の上昇や、住宅ローン金利の上昇傾向、そして住宅取得能力の点で状況がより厳しいものの、需要は引き続き強そう。

 

 

◆米10年物国債の利回りが上昇、連動する住宅ローン金利が上昇傾向。今月に入り30年物固定金利が2020年7月以来はじめて3%超に。(この低金利の状況も、住宅需要を後押ししている!)

 

 

もう少し詳しく見たい方はこちらの記事もどうぞ。

▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

hideson-gifufufu.hatenablog.com

 

 

 

業績

2021Q1

☑ Revenue:$4.04 billion(△92%, YoY) ←vs $4.28 billion

-Closed loan origination volume:$103.5 billion (△100%, YoY)

 ※住宅ローン好調!(3月に過去最高の購入申込件数を記録)
-Gain on sale margin:3.74%(△0.49pt, YoY)
-Net rate lock volume:$95.1 billion(△70%, YoY)
Amrock closings(契約件数):348,800件(△110%, YoY)

-Rocket Auto car sales:13,600台(△64%, YoY)
-Rocket Homes(住宅検索サイト):月間平均訪問者数△300%, YoY

※Closed loanの取扱高が6四半期連続で前年同期比100%以上の伸びを達成

☑ Net income:$1.77 billion(△170%, YoY)

☑ EPS:$0.89(-, YoY) ←vs $0.90

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RKT:First Quarter Financial Summary

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RKT:Condensed Consolidated Statements of Income

→個人的には絶好調な決算結果だったんですが、Revenue・EPSともにMiss。業界としての需要が大きいために期待が膨らみすぎた、という感じですかね。

 

 

でもそれだけでこんなに株価は落ちないだろうと思ったので、ガイダンスも少し見てみます。

※2021Q2ガイダンス※

-Closed loan origination volume:$82.5~87.5 billion(▼16~20%, QoQ)
-Gain on sale margin:2.65~2.95%(▼7.9~10.9pt, QoQ)
-Net rate lock volume:$81.5~88.5 billion(▼7~14%, QoQ)

んん?伸びが急に止まってやいませんか?

※参考※

$DHI(米住宅大手)の四半期ごとのRevenueを載っけていますが、例年はQ1<Q2となっているようです。

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DHI:四半期ごとの売上推移

→この傾向から考えると、「Q1→Q2での住宅販売の増加見込みに対して、保険やローンのガイダンスは弱気ではないか?」と捉えられたのでしょうか?

 

 

続いて、RKTのRevenue、Net incomeについても見てみます。

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RKT:Revenue(青) Net income(赤)の推移

 →RKTの推移を見てみてもやはりQ1のRevenueは低いようです。

ここから考えられるのは、ガイダンスが弱気なのではなく、『強い需要を既に織り込んでしまっていて、上記した6四半期連続YoY100%成長がストップしてしまう(伸びが鈍化する、しかも結構大幅に)ということを経営陣も感じていて、それが嫌気された』というのが今回のシナリオでしょうか。

それにしてもガイダンスが低い気がするんですが…?

 

 

 

 

2020Q4

☑ Revenue:$4.7 billion(△147%, YoY)

☑ Net income:$2.8 billion(△250%, YoY)

- Closed loan origination volume:$107.2 billion(△111%, YoY)

- Net rate lock volume:$96.0 billion(△119%, YoY)

☑ EPS:$1.09

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RKT:Condensed Consolidated Statements of Income

 

 

株価

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RKT:決算後の株価

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RKT:上場来の株価推移(Bloomberg

 →コンセンサス未達+ガイダンス弱気ということがあり、株価はアフターで▼13%と大きく下落しています。住宅分野のプラットフォーム企業なので需要は強いと思うんですが、住宅業界への期待と業績のミスマッチがあるせいか、株価はしょっぱいですね。

 

 

トピックス

 ◆Rocket Autoは自動車小売業界の大手ソフトウェアプロバイダー「AutoFi」と戦略的パートナーシップを締結。

→Rocket Autoが独自に開発したプラットフォームと組み合わせることで、金融や保険を含む包括的自動車販売情報管理ソリューションを提供可能に。

 

 

◆Rocket Pro TPOは、インディアナポリス500の#16 Chevroletのスポンサーシップを開始。

 

◆Rocket Mortgageは、PGAツアーのスーパースターであり、2020年のRocket Mortgage Classicの優勝者であるブライソン・デシャンボーとの新たなパートナーシップを開始。

 

 

 

まとめ

それでは今回の記事をまとめます!

 

POINT
  • 住宅ローンをメインに扱うデジタルプラットフォーマー
  • 住宅だけでなく、中古車などにも事業拡大!
  • 売上YoYで△90%超!超絶決算!(全セグメント続伸!)
  • しかしコンセンサス未達+ガイダンス弱気のダブルパンチで株価は▼下落▼
  • 住宅分野のプラットフォーム企業なので需要は強いが、住宅業界への期待と業績のミスマッチが懸念?
  • 需要はあるので基盤ができれば硬い。ファーストチョイスになれないならここの伸びは止まるだろう。

 以上です!

 

 

決算って難しいね。今期は連戦連敗です…。(´;ω;`)

ウッドショックが長引くと考えるなら、材木関連のほうがいいかも…?

 

 

それではまた。