【業界ざっと見!】~小売業界編~【ZATTOMee!】
どうも。(。・ω・。)
ひーくんです。
今回は、「小売」業界をざっと見していきます。^^
今回取り上げる企業の業績はどうだったのでしょうか?業界の動向と合わせてみていきます。
それではさっそく始めましょう!
「小売業界」ってどんな業界?
「小売業界」の定義は?
小売業界は、卸売業などから仕入れた商品を一般の消費者に直接販売する業界です。
流通業界は主に卸売業と小売業とに分かれ、百貨店や専門店は小売業に当たります。(メーカーが製造した商品を仕入れて消費者に届ける事業を総称して流通業界といいます)
また小売業界には、大きくは以下の3つに分類されます。
- 百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア:多岐にわたる商品を店頭に陳列して販売する
- 専門店:特定の領域の商品を扱う。(アパレル店、ドラッグストア、家電量販店など)
- 製造小売業(SPA):専門店のうち、製品の企画から製造、販売まで一貫して行う。(中間コストを減らすことができるが、在庫リスクが大きい)
ちなみに時価総額TOP10は以下の通りとなっています。
→ドラッグストア最大手のCVS Health、食品スーパー最大手のKrogerなどがランクインしていますね。
〈コロナ禍での小売需要〉
マーケット
◆2020年アメリカ小売市場規模予想:$5.506 triillion(約600兆円)
→2020年までは堅調に推移していたが、2020年はコロナショックもあり、多くの企業が業績に苦しんだ。
→しかし前年比でみても2020年は+0.8%と市場全体では拡大!
さらに2021年以降は成長速度も回復し、さらなる一大市場となることが期待されています。
◆2020年アメリカ小売EC市場規模:$586 billion(約64兆円)
→10年連続で2ケタ成長を続けている。
→ロックダウン以前からECに切り替えできていた企業はこのコロナショックで大きく業績を伸ばしていそうな市場の伸びですね。
◆新型コロナウイルスの感染拡大から、大きな打撃を受けている。
→アシナ・リテール・グループ(アパレル)、J.C.ペニー(百貨店)、チューズデー・モーニン(生活雑貨)、GNCホールディングス(健康・ヘルスケア)などが米連邦破産法11条の適用を申請。(2020年に閉鎖する店舗数は25,000店に上ると予測)
◆特にアパレル業界が厳しい年になった。
→小売りの中でも生活必需品でないアパレル・セクターは、ロックダウン中は店舗の営業停止に追い込まれた。2021年に入っても、各国で新型コロナ向けワクチン接種が進む一方、来店数の制限などの影響は続いています。
しかし米国勢調査局の推定では、3月のアパレル・セクター売上は前月比18%増、前年同月比では2倍以上の増加となりました。
小売売上高
小売売上高:
百貨店、スーパー、コンビニ等の小売・サービス業者の売上金額をまとめた経済指標。
→消費者が商品購入にどれだけお金を使ったかが分かるため、その国の景気の良しあしや個人消費の動向が判断できます。
米国では、個人消費がGDPの約7割を占める消費大国なので、小売売上高は景気動向をみるうえで重要視されています。
※特に年末のクリスマス商戦(小売の約20%を占める)の結果を確認するため、1月に発表される数値は注目を集めています。
注意点として、小売売上高には旅行や宿泊など他のサービス分野は含まれません。
2021年5月
- コア売上高(除 飲食店、自動車、建材、GS):▼0.7%。
- 主要13分野のうち8分野が減少。
- 自動車以外:▼0.7%。家具や電気製品、建設資材の各店舗も減少。
- 飲食店:+1.8%増。コロナ感染を巡る懸念が和らぐ中、サービスへの支出にシフトしつつあることが浮き彫りに。
- 衣料品:+3%。職場の再開や社会活動の増加が反映?
今年4月までは政府の経済対策による個人給付などに支えられ、2カ月連続で堅調だったが、先日発表された5月の小売売上高は前月比で減少した。
→経済活動再開に伴い、支出の対象が「サービス」へとシフトし始めていることが反映され始めているのでは?
それでは一旦ここまでをまとめますね。
- 国民の生活を支えている重要な業界!
- 小売の売上はコロナできつい!でも今後は大きく伸びていくかも!
- 経済指標としても見られている重要なセクターだよ!
業界の話はこれくらいにして、各企業を見ていきましょう!^^
小売り関連企業をざっと見する
まずは小売セクターのETFから見ていきましょう!
VanEck Vectors Retail ETF($RTH)
MVIS米国上場リテール25インデックスに連動する投資成果を目指すETFです。
構成銘柄は次のとおりです。
→株価を見てみると、コロナショックで大きく下げはしたものの、生活必需品の需要の高まりなどもあってコロナ前よりも大きく業績を伸ばしていることが伺えますね。
Walmart($WMT)
企業概要
◆小売スーパー・チェーン。ディスカウントストア、スーパーセンターを経営する。
◆世界中の従業員は220万人、週あたり約2億2,000万人の顧客網を有する。
◆世界一の売上を誇る企業であり、2021年度の売上高は5,590億ドル。
(約56兆円、ちなみに日本のGDPは約500兆円…)
ビジネスモデル
◆全世界で24カ国に約10,500の店舗を運営。
(基本24時間営業で、銀行、ヘアサロン、ネイルサロン、レストラン、ビジョンセンターなどの専門店も併設されている店舗も)
◆「Sam's Club」というメンバー制の店舗も展開。
業績 2021Q1
☑ Revenue:$138.3 billion(+2.7%, YoY)◎ ← vs $131 billion
-Walmart U.S.:$93.2 billion(+5.5%, YoY)
-Walmart International:$27.3 billion(▼8.3%, YoY)
→ 市場は大きくなっており、中国は続伸(+4%)
-Sam's Club:$16.7 billion(+10.1%, YoY)
→ e-Commerce(△47%)や会員費(+10%)が大きく伸びた。
☑ Gross profit margin:24.7%(+0.11pt, YoY)
☑ Net income:$6.9 billion(+32%, YoY)
☑ EPS:$ 1.69(+, YoY)◎ ← vs $1.21
☑ 食料品部門の市場シェアの落ち込みが持ち直したほか、米政府による個人向け直接給付、さらに1年に及ぶロックダウン後の累積需要が好業績に寄与した。
☑ 店舗への客足回復に伴い減速が予想されていたオンライン販売だが、米国の消費者にはオンライン販売の速さや手軽さが引き続き好評だった。
株価
→コロナショックの影響も他の企業と比較すると大きくなく、5年前から見ても順調に株価を伸ばしてきていることがわかります。昨年末から今年にかけて株価は軟調なものの、ここ5年間で株価は2倍ほどになっていますね。
トピックス
詳細はこちらの記事に書いています。
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hideson-gifufufu.hatenablog.com
Costco($COST)
企業概要
◆会員制の大型ショッピングセンターを運営。本当に「なんでもある」ハイパーマーケットです。
◆オリジナルブランドをいくつも展開しており、顧客確保につなげている。
◆店舗数は世界中で803店舗。うちアメリカ国内は558店舗。
(実は日本にも約30店舗も展開しているんです...!)
ビジネスモデル
◆収益の軸は「会員費」。スタンダードな「Gold Star」会員で年会費が$60。
→年会費という収益の柱があるため、例えばフードコートなどはサービスの質を高めることができる。
◆近年「Eコマース」にも注力している。
業績
☑ Net Sales:$44.38 billion(+21.7%, YoY)◎ ← vs $42.56 billion
☑ Gross profit margin:12.95%(▼0.51pt, YoY)
☑ Net income:$1.22 billion(+32%, YoY)
☑ EPS:$ 2.75(+$0.09, YoY)◎ ← vs $2.254
株価
→小売業の中でもコロナショックに比較的強かったですね。コロナによる非常事態宣言下でも僕がいつも行っている店舗は盛況だった気がします。
トピックス
◆米国顧客満足度指数(ACSI)の「百貨店およびディスカウントストア部門」で最も高い顧客満足度を獲得。
→コロナ禍でも米国の消費者から高い支持を得ている。有料会員の更新率が91%と高いことからも、既存顧客に根強く支持されていることがうかがえる。
◆先日「水野真紀の魔法のレストラン」でも取り上げられていました。^^
Target($TGT)
企業概要
◆総合ディスカウントストアの運営会社。
◆日用品や食品のディスカウント小売店(1,900以上の実店舗)とオンライン店舗(店舗Target.com)を手掛ける。
◆顧客:米国のみ。
ビジネスモデル
◆実店舗とeコマースを融合したオムニチャネル販売プラットフォームの強化。
◆オムニチャネル事業の中核である実店舗は、「収益の柱」+「急拡大するデジタルビジネスのフルフィルメントハブ」としての役割を果たしています。
→今後の売上を作る「デジタル」に、店舗を通じて顧客を誘導する、という戦略で動いているようです。
◆消費者の需要のシフト(生活必需品 → ホームファニシングや電気製品など必需品以外)をうまく捉え、品揃えの戦略を素早く変えることで市場シェア拡大を図り、売上を伸ばした。
業績
☑ Revenue:$ 23.9 billion(+23.3%, YoY)◎ ← vs $21.28 billion
-Store:+18%, YoY
-Digital:+50%, YoY
→アパレルや家庭用品が牽引し、食品・飲料、生活必需品などの売上が増加。
☑ Gross profit margin:30.0%(+4.1pt, YoY)
☑ Net income:$2.10 billion(+640%, YoY)
☑ EPS:$3.69(+525, YoY)◎ ← vs $2.07
株価
→凄まじい右肩上がりです。今回のパンデミックでも生活必需品セクターは強かったことがよくわかります。
トピックス
◆年間配当を32%引き上げ、ライバルの$WMTと同水準に。
◆アパレル分野の強さはさらに売上拡大の鍵となるかも。
→パンデミック以前の同社の売上全体に占める衣料品事業の割合は約19%でしたが、2020年には16%まで縮小しました。売上が急速に回復すれば、今年も大幅な増収が期待できます。来店者数が増加すれば、多くの独自ブランドの売上増も見込めます。
TJXカンパニーズ($TJX)
企業概要
◆米国および世界各国でアパレルおよびホームファッションを扱う大手オフプライス小売企業。
◆ディスカウント小売チェーンを展開する。(高品質なブランド商品やデザイナー商品を正規小売店の通常価格よりも20~60%安い価格で提供している)
◆米国、カナダ、英国、アイルランド、ドイツ、ポーランド、オーストリアの9カ国で合計4,639店舗を運営。
ビジネスモデル
◆「実店舗」+「Eコマース」(Eコマースは4つのサイトを運営)
→国によって展開するブランドを変えている。
-
T.J. Maxx(各国):ファッショナブルなブランドアパレルやホームファッションなどを扱う。一部の店舗ではハイエンドのデザイナーズ部門である「The Runway at Maxx」を展開。(Marshallとの差別化)
-
HomeGoods(アメリカ):家具、ラグ、照明、ソフトホーム、デコレーションアクセサリー、テーブルトップ、調理器具などホームファッションを展開。
- Winners(カナダ):ファミリー向けのアパレルやシューズ、アクセサリー、ホームデコレーション、ビューティ製品など、お買い得な商品やファッション、ブランド品を取り揃える。
◆「柔軟性」「オフプライス」「グローバルな購買力」
・部門間の壁がないため、市場動向やお客様の好みの変化に応じて商品カテゴリーを拡大・縮小することができる。
・在庫回転が速く、ファッションや価格の動向を把握しながら、必要に応じて購入することができます。
・1,100人以上のバイヤー部門を有しており、約21,000社のベンダーと100カ国以上の国々からグローバルに商品を調達できる。
業績 2022Q1
☑ Net Sales:$10.09 billion(+16%, FY2020)◎ ← vs $8.38 billion
ーMarmaxx(米国):$6,640 million(+12%)
ーHomeGoods(米国):$2,142 million(+40%)
ーTJX Canada:$766 million(+9%)
ーTJX International(欧州・豪州):$539 million(+11%)
☑ Gross profit margin:28.0%(-, YoY)
☑ Net income:$534 million(+$1,421 million, YoY)
☑ EPS:$ 0.44(+$1.10, YoY)◎ ← vs $0.278
→2022Q1の売上高に約$1.1~1.2 billion、EPSに約$0.21~0.24のマイナスの影響を与えたと試算しています。
コロナ禍によって一時的に閉鎖している店舗が約300件。(すべてカナダと欧州)2022Q2ではカナダと欧州の店舗がそれぞれ17%と7%の期間、一時的に閉鎖されると予想しています。
→店舗が再開し需要が戻れば、売上は数カ月で通常レベルまで回復すると見込まれます。
株価
トピックス
◆2020年までの10年間で市場シェアを順調に伸ばしていたが、コロナ禍で店舗閉鎖が長引き、配当は停止されました。
※増配を実施していれば配当貴族(25年以上連続増配銘柄)に仲間入りするはずだったんですが…
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- コロナ禍で業績は落としたものの、生活必需品の需要は堅く、コロナ収束に向けてさらなる業績拡大が期待される!
- 売上規模はアメリカ国内でもトップクラスの業界!
- 小売各社は業績は好調、コロナ前の水準を超えて業績を伸ばしている企業が目立つ。
- 小売の中でも「アパレル」などはやや厳し目か…?(今後の回復には十分期待できるという観点もあるので一概には難しいいよね…。)
以上です!
コストコお勧めですよ、一度は行ってみてください。 ^^
それではまた。