【TSM】台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング ~2021Q1決算~【ZATTOMee!】
どうも。(。・ω・。)
ひーくんです。
4月15日に決算だった「台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング($TSM、台湾積体電路製造)」の2021Q1の業績をまとめました。
半導体業界はTwitterなどでも盛り上がりを見せている業界ですし、中でもファウンドリ大手のTSMの動向は業界の命運を握っていると言っても過言ではないでしょう。
それでは早速見ていきましょう!
台湾セミコンダクター・マニュファクチャリングってどんな会社?
企業概要
◆世界最大のファウンドリー(作り手)として半導体業界に君臨してる。シェアはなんと56%!
◆半導体大手のNVDAや、iPhoneのAAPLなどの半導体製造も受託しているようです。
◆2017年までに研究開発に$3 billion(収益の約8%)を投資しています。
→TSMCの研究開発費用は、IntelとSamsungを合わせた金額よりも多い。(そこまでしてトップを守っていると考えられます)
※2021年はYoY+74%の300億ドル、今後3年間で計11兆円を投じる計画です。製造を一手に担うファウンドリーとして、半導体の供給不足解消という課題の解消が急務となっています。それを分かっているからこそ、このような大きな設備投資に動いたのかと。
→業績への反映は2021Q2あたりからかな?(今期Q1のガイダンスに注目ですね。)
◆ 「半導体不足は2022年まで続く可能性がある」と警告しています。
詳細についてはこちらの記事をどうぞ。^^
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hideson-gifufufu.hatenablog.com
ビジネスモデル
◆顧客の製品を製造することに特化したピュアプレイファウンドリー。
工場を持たずに設計者のためにチップを作っている。また半導体製品の設計、製造、販売を自社の名前で行わないことで、顧客との競合を避けている。
→半導体生産の流れを考えたときに、比較的「川下」に当たる企業かと思います。なので、「川上」(製造装置など)が止まってしまうと、作りたくても作れない、ということにもなりかねません。
◆純収益に占める割合は次のとおり。(2019年)
スマートフォンが49%と最も多く(AppleのiPhone?)、ついでハイパフォーマンスコンピューティング(HPC):30%、IoTが8%、オートモーティブ(自動車事業):4%、デジタル家電:5%となっています。
業績
4月9日に「Revenue Reports」出ました!
3月度のRevenueは NT$ 129,127 million(△13.7%YoY, 21.2%MoM)となっています。引き続き半導体需要も強く、業績の底上げにつながったようです。
→ここまで業績がいいことが分かると、ある程度株価に織り込まれてしまっているようですが…。どうなんでしょうね?
それでは2021Q1の決算を見てみましょう。^^
2021Q1
☑ Revenue:$12.92 billion(△25.4%, YoY) ◎ ←vs 12.86 billion
☑ Gross Margin :52.4%(△0.6pt, YoY)
☑ Net Income :NT$ 139.69 billion(△19.4%, YoY)
☑ EPS:$0.96(△, YoY) ◎ ←vs $0.95
☑ Guidance:$12.9~13.2 billion ✖ ←vs $13.15 billion
→RevenueがYoY、QoQのいずれでも成長している。ホンマに堅調に大きくなっててビビる。(自動車用半導体、HCP、IoTが好調だった様子。スマホ用は▼11%)
→さらにRevenueのガイダンスも上方修正。
1Q21 Guidance(FY2020時点)
☑ Revenue:$12.7~13.0 billion
☑ Gross profit margin:50.5~52.5%
☑ Operating profit margin:39.5~41.5%
→売上は伸びを予想しているものの、粗利・営業利率はやや下がる見込み。売上は堅いと見ているようなので、研究開発などに投資する予定なのか?
☑ Inventory Turnover Days(在庫回転率):83(YoY△30、QoQ△10)
→在庫の入れ替わりが激しくなっている。(稼働率向上?需要逼迫が原因か。)
☑ Capital expendituresが大きく(設備投資のため?)、フリーキャッシュフロー(FCF)はマイナス。
株価
→決算の数字は良かったのですが…。ガイダンスが「未達」ということで弱気と捉えられたんでしょうか?なんとか持ちこたえていますが、50MAが抵抗線となっており、上値が重くなってしまっている印象です…。
→年始までは堅調でしたが、2021年2月中旬以降の調整で株価を下げており、年初来高値までは回復していません。
どちらかというと手堅い銘柄なので、下落も15%程度にとどまっておますが、上値が重く、4月に入ってやっと上向いてきた印象ですね。
トピックス
■ アップル、アマゾン、グーグル、クアルコム、エヌビディア、AMDなどのハイテク企業は、チップの90%を台湾の委託製造業者に依存している。
→世界の半導体市場シェアは売上高では米国が圧倒的に多いものの、製造業ではアジア諸国が世界の半導体の70%以上を生産しており、特に台湾と韓国はハイエンドチップの製造能力で他の追随を許さない地位を確立している。
■ 新工場の建設が進んでいる。
①3nmプロセス品の半分は既にAppleがスマートフォン用に契約
②2nmプロセスファブも4棟建設中、二番手サムスンとの差はますます広がる見込み
→今後一段とTSMC依存を強め、一極集中リスクを背負うことになる。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- TSMは業界トップのシェアと研究技術を持つ。それを支えるのは安定した財務と研究開発への投資!
- TSMの決算は売上、EPSともにクリア!ガイダンスがやや弱いと受け取られた?
- 株価は上値が重い印象。一度50MAを超えたのを確認してからinが無難か。
- 半導体需要の逼迫によって売上は伸びている。設備投資の成果が出始めるのはQ2あたりからか?
以上です。
I have a position. :)
上抜け、あると思います。
それではまた。