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ZATTOMee! ~研究者の投資blog~

米国企業・業界を”ざっと見”するブログ。初めての方でも興味を持ってもらえるよう、5年後、10年後に少しでもいい生活ができるように勉強したことや実践したことを発信中!

【OTLY】Oatly Group ~世界のバリスタが愛するオーツ乳~【ZATTOMee!】

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どうも。(。・ω・。)

ひーくんです。

 

 

今回は先週20日(だったと思います笑)に上場したスウェーデンの飲料メーカー、「Oatly Group AB($OTLY)」に関する記事です。

 

 

 

COVID-19のパンデミックによる健康意識の改善や、SDGsなどによる環境保護の観点からも「高栄養」「エコフレンドリー」な牛乳代替製品が注目を集めています。

 

 

中でも最近話題なのは「オーツミルク」。

オートミールなどに使われている「オーツ麦」から絞ったミルクで、ミネラルなどを多く含んでおり、牛乳代替品の一つとして注目されています。

「Oatly」は業界トップのオーツミルク製品メーカーです。

 

 

それではさっそく始めましょう!

 

 

 

 

Oatly Group AB($OTLY)ってどんな会社?

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企業概要

スウェーデンのPlant based代替乳製品メーカー。1994年設立。

◆牛乳が苦手な人や個人的な理由で牛乳を使いたくない人のために、栄養価の高い液体製品を作る方法を見つけることを目標に起業。

→オーツ麦から直接ドリンクを作るというコンセプトを確立した。

◆米国、英国、ドイツ、スウェーデンでは、オートミールカテゴリーの小売売上高でトップのブランド。

◆消費者の高まる環境意識に合わせて、近年売り上げを拡大中である。

 

 

ビジネスモデル

◆オート麦を用いて、乳製品の代替品(オートミルク、アイスクリーム、ヨーグルト、調理用クリーム、スプレッド、携帯用ドリンクなど)を提供する。

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OTLY:オーツミルク製品ポートフォリオ

 

◆新市場への参入時の「フードサービス主導型拡大戦略

  1.  コーヒーショップなどとパートナーシップ締結
  2.  スペシャルティコーヒー市場を通じて当社ブランドの認知度とロイヤリティを高める(無償サンプルなどを渡して使ってもらう)
  3.  アンバサダーとして自社製品を広めてもらう
  4.  最終的に小売チャネルでの販売拡大を目指す

→小規模な会社が大規模な費用をかけなくても成功しやすいマーケティング。実際に英国、ドイツ、米国、中国など多くの国際市場で成功している!

 
顧客:売店、フードサービス、Eコマースとパートナーシップを結び、販売チャネルを拡大している。(約60,000店の小売店と32,200店のコーヒーショップで数十種類の製品ラインと品種を提供。2020年12月31日)

  • コーヒーショップ:個人経営やスターバックスなど
  • 食品小売:TargetやTescoなど
  • e-Commece:アリババのTmallなど

 

スウェーデンでは、乳製品以外の代替品カテゴリーの総売上高の53%のシェアを獲得。(2020年)その他欧州各国でも植物性代替乳カテゴリーで高いシェアを持つ。

 

 

マーケット

◆欧米ではプラントベース食品の需要が高まっており、商品の増加とともに売り上げが拡大している。

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Growth of Total Plant-based foods

→米国の市場規模は$5 billion、そのうち4割以上の最も大きなカテゴリを占めるのは「植物性ミルク」(アーモンドミルクとか)であり、現在も年間20%の成長。

他にもヨーグルトやアイスクリーム、チーズなど乳製品カテゴリーを中心に大きく成長している。

 

 

◆植物性ミルクは、牛乳カテゴリー(TAM:$179 billion、CAGR:6.6%)の15%を占める。またナチュラルストアにおける植物性ミルクのシェアは、ミルクカテゴリーの45%にも及ぶ。

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Plant based代替乳の市場:$18 billion (2020)

-主要カテゴリ:豆乳、アーモンドミルク、オートミルク

-先進国ではオート麦乳比率が増加している。
-欧州はオートミルクが最大シェア、米はアーモンドミルクが最大シェア。

 

◆2020年の米国における植物性食品の小売売上高は$70 billion(YoY△27%)。植物性食品の売上は2018年から43%増加(食品全体の9倍の成長率)。

さらに、2020年には米国の全世帯の57%が植物性食品を購入(YoY△4.0pt)。

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プラントベースのドル売上高の3年間の推移

 

◆米国の買い物客の77%が過去6ヶ月間に植物由来の製品を購入したことがある

そのうち30%は、COVID-19をきっかけに購入したと回答。(免疫力を高める食品の摂取を増やしたい、自宅で植物由来の食材を使った料理を試す時間が増えた)

 

◆プラントベース食品に押されてか、牛乳製品の小売売上は減少しつつある。また豆乳もやや減速気味。トレンドも大きく関わってきているような印象を受ける。

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OTLY:乳製品カテゴリーの売上成長

 (https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-05-18/oatly-s-about-to-go-public-in-an-increasingly-crowded-milk-aisle

 

 

業績

2021Q1(※F-1)

☑ Revenue:$140.1 million(△66%, YoY)

☑ Gross Profit Margin:29.9%(▼0.8pt, YoY

→生産、ブランド認知、新規市場、製品開発への継続的な投資のため、とのこと

☑ Net loss:- $32.4 million

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OTLY:Consolidated Statement of Operations 2021Q1

 

FY2020

☑ Revenue:$421.4 million(△107%, YoY)

※FY2019の成長率はYoY 72.9%。(=成長が加速している)

☑ Gross Profit:30.7%(▼2.1pt, YoY)

☑ Net loss:- $60.4 million

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OTLY:Financilal Results FY2020

-United Kingdom:YoY△99%

-Germany:YoY△199%

-United States:YoY△186%

→欧米の市場で高い成長率で売上を拡大している!!

 

 

株価

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OTLY:上場来(2日間)の株価推移

→大きく株価を上げ下げすることもなく、先週の取引を終えています。比較的堅調に推移したのではないでしょうか。

 

 

 

トピックス

◆環境への配慮意識が高いのはやはり「GenZ」のようです。しかしこのトレンドは若い世代に限ったことではない、とも言われています。

→流行り廃りが激しいため、ミルクの代替品として安定した市場を守っていくのは難易度が高い可能性がある。

www.plantbasedfoods.org

 

 

スターバックスでも「オーツミルク」がカスタマイズメニューに加わります。

→オーツミルクのPRに成功している一例ですね。

www.fashionsnap.com

 

 

まとめ

それでは今回の記事をまとめます!

 

POINT
  • 牛乳の代替品市場が大きく拡大している!特に「オーツミルク」はここ最近でアーモンドや豆乳よりも強い成長を見せている!
  • 各国の「オーツミルク」のシェアの半分近くを占めており、売上の伸びは良い!
  • まだ黒字化にはなっていないので、今後の資金源にも注目!
  • 上場後に大きな動きはなし!しばらくは「見」でよいかも。

 

以上です!

 

 

オーツミルク、気になっているので一度試してみたいんですよね…。

ただ「Oatly」製品は日本にはまだ入ってきていないようです。それならスタバで飲むしかないのか…。

みなさまもお試しあれ。

 

 

それではまた。