【PDD】Pinduoduo(拼多多) ~EC×スマート農業~【ZATTOMEE】
どうも。(。・ω・。)
ひーくんです。
今回は、「Pinduoduo($PDD)」の決算をざっと見していきます。
僕もこの企業調べるのはこれが初なので、一緒に勉強していきましょう!
Pinduoduo(拼多多、ピンデュオデュオ)ってどんな会社?
企業概要
■ 電子商取引(EC)プラットフォーム会社。食料品 、ファッシ ョン 、 美容、電化製品など、幅広い商品を提供する。
→中間業社を排除して低価格の果物と乳製品を販売することで名を成したが、徐々に多様化を進め、大幅割引のiPhoneなど全方位の商品を扱うようになった。
■ 2018年にNASDAQに上場。Tencent(テンセント)が主要株主・パートナーとなっている。
■ 60万件近い業者が農作物をPinduoduoを通して販売している(2019年)。
■ 2025年までに年間1450億ドル(約15兆円)相当の農作物を扱うことを目標としている。(2019年時点で210億ドル(約2兆1700億円))
■ 元GoogleエンジニアのColin Huang(黄峥、コリン・ホアン)氏が設立。食料とライフサイエンスの研究に注力してきた。
■ CEO:Chen Lei
「Pinduoduoは農業製品から始まりました」
「いつかPinduoduoが世界最大の食料品店になることを願っています」
ビジネスモデル
■ ECプラットフォーム。中国の9億8900万人のインターネットユーザーを対象にできる。競合としては阿里巴巴(アリババ)などが有名か。
→地方の農家をメインターゲットとしているため、農村部のシェアを獲得できている。淘宝(タオバオ)特価版などに対しても優位性を持つ。
Covid-19パンデミックの発生に伴うフードサプライチェーンを混乱により、ライブストリーミングや電子商取引によって、多くの農村地域が初めて全国の消費者とつながり、直接販売できるようになるなど、画期的なイノベーションにつながった。
※2019年の中国内の農産物のオンライン販売額は4000億人民元(約6兆1000億円)に迫っている。 (YoYで27%増加)
■ 中国のECは大きな伸びが期待されている
中国の全小売売上高が拡大していくことに加えて、中国の全小売売上高の52%をECが占めるようになる、と予想されている。(※米国は20%未満)
■ 『拼』(ピン、グループ購入)
消費者の需要を集約し、農産物の収穫とマッチさせるために効果的な手段。
中国に浸透している手頃な価格の物流機能を活用することで、生鮮食品を農場からユーザーへと直接配送することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、小規模農業生産物を、半分カスタマイズされたバッチ処理メカニズムへと変えることができる。これによって農業消費の不要なコスト削減、小規模なカスタマイズサービスを実現。
農業は中国で最もデジタル化が遅れている産業。このギャップを好機と考えて、オンラインで果物を売ることから事業を始めた。
米国やオーストラリアと違い、中国では小規模農家がほとんどであるため、高度な農業機械を買える余裕がない。そのため需要がなければ、アグリテックのスタートアップは資金調達が難しくなり、顧客を増やして販売価格を下げるための投資もできなくなるが、PDDはすでにアグリテックのスタートアップ企業と幅広い潜在顧客プールとを結び付けることができる。
(PDDのアグリテックの取り組み)
-これまでに10万人以上の "New Farmers "にEコマースビジネスの運営方法を指導しており、今後も10万人の指導を行う。(※New Farmers:デジタルに精通した若者で、故郷に戻ってオンラインビジネスを立ち上げ、農村での農産物販売を支援)
- AI利用農家を促進し、農業従事者が知識を持ったオンラインベンダーになるための教育を推進。
- 数億人の購買者の購買行動を追跡し、何を植えて、どれほどの値を付けて販売するべきかを農家に教えている。
- スマート農業コンテストなども開催。人工知能やネット接続機器を活用したイチゴの栽培を競うもので、優勝システムは、Pinduoduoと雲南省政府との合弁プロジェクトであるAI管理のDuo Duo Farm(デュオデュオ・ファーム、Pinduoduoリリース)で展開され、同eコマースプラットフォームで農家が作物を直販できるようにする。
→中国地方経済を押し上げようとする政府の方針とも一致しており、数億人の生活に影響を及ぼす可能性がある。
企業分析
〈業績〉2020Q4
☑ Revenue:26,547.7 million元(△97%, YoY)
-online marketing services:18,922.0 million元(△95%, YoY)
-transaction services:2,267.9 million元(△106%, YoY)
-merchandise sales:5,357.8 million元(△5,357.8 million元, YoY)
☑ Gross Profit:15,022 million元(△71.6%, YoY)
☑ Net Loss:1,376 million元(▲21.6%, YoY)←赤字が減った
☑ 売上原価は400%以上増加:商品販売にかかる原価・費用、決済処理手数料、クラウドサービス利用料、加盟店支援サービス、配送・保管料などのコスト増。
☑ GMV(※):1,667.6 billion元(△66%, YoY)
☑ Active Buyers:788.4 million(△35%, YoY)
☑ MAUs:719.9 million(△50%, YoY)
※Gross merchandise volume(GMV):
オンライン小売にて、製品およびサービスが実際に販売されたか、配送されたか、または返品されたかどうかにかかわらず、モバイルプラットフォーム上で特定の期間に販売された商品の総売上金額を示す。 (配送料が表示価格含まれている場合、配送料はGMVに含まれる)
※GMVはPinduoduoなどの赤字で稼働しているスタートアップのトランザクションサイズを表す場合には役立つ。
収益を示すための標準的な会計用語としては受け入れられていないことに注意。
※顧客1人あたりの支出額
中国の農産物は利益率が低いため、健全な収益をいかにして達成できるかが課題となる。☑ B/Sより、キャッシュはめちゃくちゃ豊富。
(FY2020:86,972 million元、YoYで△100%以上)
→RevenueがYoYで倍近くまで伸びています。コロナ禍で見られた「Eコマース」企業の大躍進の潮流にうまく乗れた感じでしょうか。ユーザー数はもちろん、顧客単価も続伸しており、まだまだ伸びる余地がありそうな決算です。
ただし赤字は減少しつつあるものの、未だ黒字化にはなっていないこともポイントです。最大手のアリババ集団などライバルとの激しいシェア争いを繰り広げており、販促費などの先行投資が重荷となっているようです。流石にこの伸びが続くとは思えませんので、コスト抑制が黒字化の鍵になってくるかと思います。
そういった点でも、アグリテック分野には期待していきたいですね。
〈株価〉
→昨年からは大きく株価を伸ばしています。(5~7倍!)しかし2月下旬の調整行こう軟調が続いており、2021年初来で見てみるとマイナスになっています。
トピックス
・阿里巴巴(アリババ)を年間アクティブユーザー数で抜いた。
(Pinduoduoは7億8800万人、Alibabaは7億7900万人)
・会長が辞任を発表。株価は一時7%安に。
・中国2強のアリババとテンセントが提携?
これまでwechatとタオバオの連携ができず商品情報のシェアがユーザーの手間となっていたが、今回ミニアプリ内でタオバオの商品をwechat Payで購入可能に。
→政府による独占禁止法の圧力やJD、急成長しているPDDの脅威から今回の提携に結びついたと考えられています。
・中国の貧困削減活動への顕著な貢献が認められ、中央政府から表彰されたテクノロジー企業3社のうちの1社に選出。
・12月12日、中国・広州で開催された「2020 World Digital Agriculture Conference」において、Pinduoduo社がデジタル農業のパイオニアとして表彰。
〈所感〉
個人的な注目度は「EC <<< アグリテック」です。特に中国の国策の方針にあっていることは大きな強みのように思っています。
ECは差別化が難しい業界のように思っているのですが、他の企業がアプローチしていなかった農村部に先行してアプローチすることで、中国国土の多くを占める農村部の顧客を獲得できているのは強すぎでしょ。チートじゃないですか。笑
面白いように顧客数が順調に伸びているので、今後の成長速度も期待できる分、減速の度合いは注視していく必要があると思います。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- 農村部で圧倒的シェアを持つ「農産物EC」
- さらに農産物生産拡大に向けたアグリテックも事業の柱に
- 売上高やユーザーの伸びはすごい!アリババ抜いた!
- 利益率が良くない農産物で、どのように収益性を挙げられるかが鍵
- 注目度は「EC <<< アグリテック」
以上です!
中国企業は国策に準じているかも大きなポイントになりそうですね。
またほかの企業も調べてみます。^^
それではまた。