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ZATTOMee! ~研究者の投資blog~

米国企業・業界を”ざっと見”するブログ。初めての方でも興味を持ってもらえるよう、5年後、10年後に少しでもいい生活ができるように勉強したことや実践したことを発信中!

【業界ざっと見!】~海運コンテナ編②~【ZATTOMee!】

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どうも。(。・ω・。)

ひーくんです。

 

 

いやー、海運銘柄強いですね。^^♪

 

 

昨日(2021.3.18)は金利が1.75%まで上昇したおかげで、ハイテク銘柄が一様に大きく下落しました。

 

 

そんな中で、海運銘柄は全て上げていました! 

 

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ウォッチリストの一部。(SBLK, DAC, ATCO, NMCI)

※24時時点の話です。終値では下落に飲まれてマイナスに沈んだ銘柄もありましたが、$SBLKなどはプラスで引けていました。

 

 
 
金利上昇場面でも、今後の確実な売上期待によって大きく値を落とすことなく順調に伸びて行っているのがとても好感がもてます。^^

 

 

先日書いたこちらの記事が好評でしたので、話題に上がっている銘柄も追加で見てみようと、続編を書きました。

 

 

 

こちらの記事はほんと初めての方にも大変オススメです。業界の現状とかはよくまとまっているように思います。^^ (☚ 自分で言うな 笑)

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hideson-gifufufu.hatenablog.com

 

 

 

今回は、第一弾で紹介しきれなかった銘柄を紹介していきます!

 

 

それではさっそく始めましょう!

 

 

 

 

 

海運業界の現状と今後

前回の記事でも書きましたが、フォローできていなかった内容について追記しています。前の記事とあわせてどうぞ。

 

 

GDPと世界貿易量の関係

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World Container Trade(1996~2021年)

-1996~2019年の年成長率は 6.5%

GDP成長率がマイナスの時、コンテナ取引量の成長率も減少している。(2008年、2020年のみ。それ以外は拡大してる事実。)

 

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左:コンテナ取引量(MTEU、QoQ) 

右:Time Charter レート

IMFは2021年の世界経済は5.2%の回復を見せると予測。

 o 先進国:2020年 ▲5.8%、2021年 △3.9%

 o 中国:2020年 △1.9%、2021年 △8.2%

-経済の回復に伴い、数量は改善している。

-2020年Q3のコンテナ取引量は、QoQで11%増加した。

Time Charter(※)レートは過去8年間で最高レベルに到達した。

※Time Charter(TC):

オーナーがオペレーターに船を貸し出す場合に結ぶ傭船契約のこと。期間は一般的に短くて2年、長いと10年を超える。

→長期契約になればなるほど実勢レートから割り引いた金額になるが、オーナーにとっては長期的なキャッシュフローを確保できる。船は小型のコンテナ船でも100億円はかかり、大型になると数百億円と異常に高価なため、オーナーはTCによって収入を確立する。

 

 

世界貿易の様子が変わってきている

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Shanghai / USWC ($/FEU)

→中国が早期に経済活動を再開したことで、アジア域内貿易の需要が高まり、6月と7月の貿易量は2019年の水準を上回った。

 

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左:Containership Calls by Region, TEU % yoy

右:Eastbound Transpacific Trade Growth %YoY

-太平洋東岸航路(中国~米国):5月にQoQ▲15%、7月にQoQ△11%。

-極東~米国間では過去最高の4,000ドル/1ユーロ近い水準。

-太平洋航路のコンテナ船の船腹量は、9月末時点で過去最高の53万TEUを記録。

最近の貿易増加の要因は、米国の消費活動の回復に伴う電子商取引、PPE、在庫補充。米国の小売売上高は4月から6月にかけて27%増加した。

 

 

海運企業の支出構造

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Cash Breakeven / Cost Structure(NMCIのPresentationより)

船舶運航費(OPEX):船舶やその他の資産を運航するための費用。

航海のために船をチャーターする場合の燃料費や、定期的なメンテナンス費用

特にメンテナンス費用は船齢に直接依存しており、古い船の場合には総支出に大きな影響をもたらす

 

 

 

コンテナ船の稼働率は?

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Containership Idle Capacity(NMCIのPresentationより)

遊休船腹率(※)は1.4%。(5月末:9.2%、1月初旬:2.2%)
-遊休コンテナ船は130隻(5月:合計551隻)
-スクラバーを改修しているコンテナ船は11隻のみ。

→コロナショックでメーカーなどが一時的に製造・出荷を控えたために遊休率は急上昇したが、メーカーが出荷などを再開した下半期にはコンテナ需要が逼迫し、遊休率が大きく下落したと考えられる。

 

※遊休船腹率:

売上などにつながる船舶活動をしていない船舶の比率※「稼働率の逆」という理解でOK

(例:傭船活動の停滞、成約待ち、係船(船舶の稼動を少なくするため、一時的に船の運航を停止させて港に係留すること)など)

 

海運にも不況があり、経済活動と同様に「需要<供給」となると、船舶需要よりも供給が上回る“過剰船舶”の状態になり、遊休船舶率が上昇する。
海上運賃が低下、船舶の市場価格が下落する。さらには老朽化した船の廃棄が進み、新造船の発注も止まる。

 

 

 

コンテナ船の受注状況

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Orderbook by year of delivery(NMCIのPresentationより)

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コンテナ船のオーダーブックは大型船に偏っている(NMCIのPresentationより)

→2020年10月時点の受注残高は8.0%(船隊に占める割合としては過去最低水準)

(※実際の納入隻数:2016年=134隻、2017年=157隻、2018年=179隻、2019年=162隻、2020年YTD=101隻)

 

- コンテナ船発注量の80%は10,000TEU以上(大型船)

- そのうちの63%は13,000TEU以上のコンテナ船。

 

 

コンテナ船のサイズ別シェア

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上:コンテナ船サイズ別シェア(アジア域内)

下:世界のコンテナ船導入状況

- アジア域内では、4,000~5,100TEU型船のシェアが91%増加。アジアの港で取引される船舶の大型化に伴い、最も拡大した船舶サイズとなった。

- 4,000-5,100TEU船は、極東~北米航路では24万8,000TEUに増加(△111%)し、運賃と需要が大幅に増加した。

- 世界のコンテナ船配備の63%は、7,500~10,000TEUの船が占める。

 

 

 

 

海運業界の紹介 Part 2

それでは前回の記事で紹介しきれなかった銘柄たちを紹介していきます!^^

 

Atlas Corp.($ATCO)

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〈企業概要〉

■ カナダの資産管理会社。海運分野、エネルギー分野、インフラ分野などの設備を管理・運営している(O&M)。

→「海運」はあくまで事業の一つという位置づけ。

■ コンテナオーナー会社。

■ 100%子会社のseaspanが海運部門を担う。

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ATCO:事業ポートフォリオ

…いろんなことやってますね。今回の記事では「海運」がテーマなので、それ以外の事業はさっとだけ見ていきますね。

★最近は事業だけでなく、サービスの対象国も広げる活動をしているようです。

 

■ 旧社名はシースパン(香港) 楽天証券はこちらの名前で出てくるので注意!

 

 

〈事業ポートフォリオ

■ 建築・物流:

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・宿泊施設・サポートサービス:エネルギープロジェクト(COVID-19禍での宿泊施設の運営にも注力)

・カナダおよびヨーロッパの国際事業を通じて、政府、国防省NATOとの施設管理およびサポートサービス契約を締結。

・北極圏における施設、バルク燃料、パイプラインシステム、水処理、および建設サービスの運営と維持。

・災害時のインフラ、物流、サポートサービスを提供。

 

 

・2018年9月にNeltume Portsの40%の所有権を取得。

Neltume Ports:4カ国に16の港を持つ南米を代表する港湾運営会社。

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ATCO:Neltumeの貨物比率と国別比率

→コンテナが約半数を占めており、残り半分をバラ積み船が占めている。

(現状のコンテナ不足を鑑みた際、大きな需要をつかめる可能性はあるのではないか?)

 

 

 

■ 電力(水力、天然ガス、送配電):

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2019年9月にカナダの化石燃料を使用した発電事業全体を総額821百万ドルの収益で売却。さらにアルバータ州オンタリオ州などにある石炭火力および天然ガス火力発電資産12件(発電容量約2,300MW)を売却(地理的な分散が狙い?)。

今後のメインテーマ

再生可能エネルギー(水素、天然ガス、太陽光)の発電能力の拡大。

-中核となるユーティリティー資産の保護。

-エネルギーインフラ資産の最適化と新たな成長基盤の追加

 

 

 

■ エネルギーインフラ事業:

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・発電設備としては、水力発電が25%、天然ガス発電が75%。

・水関連サービス(パイプライン輸送、貯蔵、水処理、リサイクル、廃棄など)

 

 

 

 

 〈顧客〉

■ オペレーター企業が顧客です。ZIMとかも早速入ってきています。

■ TOP3の比率が下がっていますが、リスク分散ということでしょうか。いずれにしても、TOPからの売上への依存性が下がることはいいことだと思います。(売上予測の難易度は上がりますが…)

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ATCO:顧客ポートフォリオ

 

 

 

 

〈業績〉2020Q4

☑ Consolidated Revenue(連結):$1,053 M(▲10.1%, YoY)

Earning(連結):$122 M(△20.8%, YoY)

-STRUCTURES & LOGISTICS:$17 M(△21.4%)

NELTUME PORTS:$7 M(△75%)

-CANADIAN UTILITIES:$98 M(△6.5%)

☑ EPS:$1.07(△0.19, YoY)

 

☑ 四半期ごとの業績を見てみると、天然ガスや電力需要の季節性を反映しているように見える。

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ATCO:ADJUSTED EARNINGS

 

 

☑ NELTUME PORTSによるRevenueは大きくは変動していない様子。

(むしろQ2では前年比割れしている。)

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NELTUME PORTSのRevenue推移



 

 

☑ 建築・物流セグメント:YoYで△100%で成長中!

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建築・物流セグメントのRevenue(Adjustment)

 

 

☑ 電力セグメントは、他のインフラ企業に比べてROEが高い。

(過去10年間で見ると、他企業平均:8.5%、ACTO:10.8%)

☑ 市場などの要因はありつつも、長期的に見て収益を伸ばし続けていることが伺えます。

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ATCO:収益の推移

 

☑ ATCOは28年、その中でもCU(電力子会社)は49年連続で増配となっています。いわゆる「連続増配銘柄」ですね。

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ATCO:配当の推移

 

 

 

〈株価〉

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ATCO:直近1年の株価推移(Bloomberg

 

直近では、年リターンで100%超え、2021年初来でも△40%というハイパフォーマンスを見せています。

金利の変動などによって市場全体が大きく下げた2020年11月、2021年2月末などでも堅調に株価が上昇してきていることがわかります。

 

 

 

〈トピックス〉

・メキシコでのCOVID-19支援

→国連事務局とのプロジェクトサービス契約を締結し、2つのモジュール式病院施設を建設。

 

・2020年9月30日、パイオニアナチュラル・ガス・パイプラインをTidewater Midstream & Infrastructure Ltd.から購入。(購入価格2億5500万ドル)

→石炭発電から天然ガスへの転換を促進。

・2020年6月、プエルトリコの電力送配電(T&D)システムの管理と近代化のために、LUMA Energy, LLC(LUMA)を選定。

→送配電システムの運営を16年契約で行う。O&M(※)契約により設備投資を必要とせず、長期的な契約キャッシュフローと収益を得ることが可能。

-米国および中南米への地理的拡大および多様化
-業界大手のQuanta社との共同プロジェクト管理
-「運営契約モデル」と「次世代エネルギー」

※O&M:Operation & Maintenance

オペレーション&メンテナンスの略で、施設のオーナーに代わって運転管理業務、維持管理業務を行う事業のこと。

 

 

〈所感〉

割と面白い企業だぞ…?

海運だけではこの先少し不安がある、という人でも電力とインフラという手堅いセクターに投資できることが大きなメリットかな、と思います。

さらに銘柄内である程度分散が効いているので、リスク分散、という点でも注目できるとおもいます。一方で、分散が効いている分、「海運」に投資したい、となった場合にはインパクトとしては弱くなるかもしれない、というデメリットもありますね。

 

よく買っとけと言われる「連続増配」+トレンドの「海運」事業を持っている企業ですので、聞こえとしてはすごくいいですね。^^

 

また財務安定性は非常に高く、レーティングでもA評価を得ています。

S&P Global Ratingのコメント:

Our view of ATCO's business risk profile as excellent has not changed, largely reflecting the Company's lower-risk regulated electric and natural gas utility operations, large customer base, regulatory and geographic diversity, and effective management of regulatory risk.”

(ATCO の事業リスクプロファイルを「優れている」と評価している。主に、リスクの低い規制対象の電気および天然ガス事業、大規模な顧客基盤、規制および地理的な多様性などを考慮している)

 

 

 

 

 

ZIM Integrated Shipping Services Ltd($ZIM)

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〈企業概要〉

■ 1945年に設立したイスラエル海運会社。複合一貫輸送、 貨物取扱い、関税管理、スケジュール情報などの関連サービスを提供する。

■ コンテナオペレーター。(米国株式市場で購入できるのは$ZIMだけ)

■ 1970年代初頭にコンテナ輸送の先駆者となり、世界有数のアセットライトコンテナ定期船会社としての地位を確立。世界の主要な貿易ルートをカバーするとともに、競争上の優位性がある。

■ デジタル志向で資産を持たないグローバルなニッチキャリアとして、収益性を最大化しながら顧客中心のサービスを提供可能。

■ デジタルツール、スケジュール信頼性、サービス品質を持つ業界トップとして評価を得ている。

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The "Z" Factor(HPより)

 

〈ビジネスモデル〉

革新的な海上輸送およびロジスティクスサービスをお客様に提供。(市場での地位を最大限に高めることができる特定の市場にフォーカス)

 

■ Cargo Services:

冷凍コンテナは、冷凍食品、医療用品、あらゆる種類の冷蔵貨物に対応。大型貨物、危険貨物、その他の特殊な貨物のためのソリューションも提案。

※ZIMonitor:発送から到着間でを追跡できるサービス。

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■ Digital Services:

・myZIM:最新の貨物状況、書類管理、通知などのリアルタイム情報に簡単にアクセスできる。

・eBL:船荷証券、銀行保証書、原産地証明書、荷為替手形約束手形、検査証明書、インボイスなど、すべての貿易関連文書をデジタル化。

 

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またモバイルアプリもリリースしています。

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App store preview

 

■ Schedules:

船舶、港、貿易、ラインごとに情報を検索することができ、世界中のZIMの活動を完全に把握することができます。

 

 

■ Shipping Trades & Lines:

アメリカ、カリブ、地中海、ヨーロッパ、中東、アフリカの主要港に寄港。

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ZIM:提供している航路一覧

 

 

〈業績〉2020Q3

☑ Revenue:$1,012 M(△20.3%, YoY)

☑ Gross Profit::$227 M△201%, YoY

☑ Net Income::$144 M( YoYで約29倍!

 

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CONDENSED CONSOLIDATED INTERIM INCOME STATEMENTS

 

→今期めちゃめちゃ業績伸ばしてますね…。これは株価もよく伸びていきそうな印象を持ちます。特にRevenueの伸び率よりも、GrossProfitやIncomeの伸び率が良く、売上を伸ばすために支出が増えたわけではない、稼げる体質になったと捉えてもいいかと思います。

※今回の業績に限って言えば、おそらく運賃の高騰に依る処が大きいかと思いますが…。^^;

 

 

〈株価〉

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ZIM:直近1年の株価推移(Yahoo finance)

 

先月上場したばかりなので先月からの推移のみとなります。

それでも上場来高値を更新し続けており、1ヶ月で株価は2倍になっています。

 

 

〈トピックス〉

・船積書類の電子化を推進するブロックチェーン企業に投資したとの記事。(投資先のWAVEBLのプラットフォームは業界2位のMSCも使ってるみたいです)

www.hellenicshippingnews.com

 

 

 

〈所感〉

業績の伸びはいいですね。ただしもうすでに幾分か上昇してしまっているので、やや高値圏であることは否定できません。

しかし上場してから1回目の決算は無事クリアしており、株価もついてきているようですので、金利上昇相場であることを考えると、PFの一角に入れてもいいのかなとも思いますね。

 

 

 

 

 

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〈企業概要〉

■ コンテナ船とフリートマネジメントサービスなど海上輸送サービスを提供。

■ Naviosグループ銘柄の1つ。(下記参照)

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NMCI:Naviosグループ銘柄
  • NM:バルク船担当。BDI(※)がさらに上昇するようであればさらなる業績向上が見込める!ただし財務は注視しておく必要あり。
  • NMM:海運全般担当。海運業界の上ぶれもあって連れ高している!いいぞ!
  • NA:タンカー担当。タンカー業界は石油の需給バランスの影響などもあり、あまり伸びていません…。

※BDI:バルチック海運指数

海運会社やブローカーなどから鉄鉱石・石炭・穀物といった乾貨物(ドライカーゴ)を運搬する外航不定期船の運賃を聞き取り、結果を取りまとめて同指数を算出する。(1985年のマーケットを1000として算定

同指数は以下の3要素から成り立つ。

  • 40% - Capesize(BCI):最も大きな船型。鉄鉱石や石炭を輸送。
  • 30% - Panamax(BPI):中くらいのサイズの船型。鉄鉱石、原料炭、 燃料炭、穀物などを輸送。
  • 30% - Supramax(BSI):世界のほとんどの港に入出港できるサイズ。クレーンもついてて便利。燃料炭、穀物、塩、 セメント、鋼材などを輸送。(下段のハンディマックスとほぼ同じ大きさ。)

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ばら積み船サイズ別呼称

(出典:https://www.mol.co.jp/iroiro_fune/01bulk.html

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BDIYバルチック海運指数は過去最高水準を維持

 

 

 

〈ビジネスモデル〉

☑ コンテナ船を保有しており(オーナー企業)、その貸出料金(Time Charter)によって売上を上げる。

保有している船舶は「Panamax」:鉄鉱石や石炭、穀物を輸送する中型船。

→”需要/供給の観点から最も魅力的な2つのセグメント”と述べている。

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NMCI:Summary of Containership Fleet

 

 

〈業績〉2020Q3

☑ Revenue:$26.4 M(▲28.8%, YoY)

☑ Net Income:- $1.07 M(▲$5.00 M)

☑ EPS:- $0.03(▲0.15)

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NMCI:2020Q3 Earnings Highlights

 

☑ Available Days(※):2,668(フル稼働)

☑ Time Charter Equivalent (TCE):$9,639(▲$3,814)

☑ Active Vessels at Period End:全船舶稼動可能な状態。

→メインの収入ドライバーである「Time Charter Equivalent」がYoYで低下しているのがRevenue減少の主因と考えられる。コンテナ船の逼迫や、運賃の上昇を考えると、来期(Q4)ではQoQ、YoYでの売上増が期待できるのではないか。

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Fleet Summary Data

※Available Days(船隊の使用可能日数):

保有船舶)×(稼動可能日数)で算出できる。

Q3の場合、92日(7~9月)×29隻 = 2,668日となった。(フル稼働していた、ということになる)

 

定期修理や保証修理、船舶のアップグレードなどに伴う使用不可日数を差し引いた。

海運業界では、船舶が収益を上げることができるはずの日数を測定するために”利用可能日数”を使用している。

 

 

 

〈株価〉

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NMCI:直近1年の株価推移(Yahoo finance)

 

昨年からすでに5倍以上ってマジですか。

グロースなんて目じゃないほど株価が伸びてきています…!

 

 

 

〈トピックス〉

・Navios Maritime Partners L.P.との合併契約締結。

www.globenewswire.com

-資本・組織構造の簡素化
-公開会社のコストを大幅に削減する
-取引の流動性流動性、資本市場へのアクセスを向上させることによる資本コストの削減
-収益力の向上を可能にする、より大きく多様化した資産基盤を通じた規模の拡大
-成長とデレバレッジを支えるための現金保有量の増加による信用力の向上
-担保価値を高めることで、負債の満期の借り換えを支援する

 

 

 

 

 

企業比較コーナー

まずは財務情報から。

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財務比較(LTM)

 

 

続いてはお待ちかね、みなさんが気になっているであろう、株価上昇率の比較です!

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昨年1月からの株価上昇率(Koyfinにて作成)
  1.  DAC:467.55%
  2.  NMCI:417.98%
  3.  ZIM:145.65%
  4.  SBLK:48.25%
  5.  ATCO:9.84%
  6.  PSHG:- 27.52%

 



まとめ

それでは今回の記事をまとめます!

 

POINT
  • コンテナ船の需要はまだまだありそう。
  • 今回紹介した銘柄は、海運以外でも収益が挙げられる増配銘柄の「ATCO」、急激成長中のデジタル化風雲児「ZIM」、海運グループ4兄弟のエース「NMCI」って感じですね。^^
  • 海運業界は大きく伸びていきそうですが、海運の中でも船舶の種類によっては伸びが異なるので注意!タンカー系はほとんど伸びてない!

 

以上です!

 

 

 

海運企業マッピング

最後にプレゼントとして海運業界のマッピング貼っておきます。

参考にしてみてください。^^

 

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海運企業マッピング(ひーくん作成)

 

 

 

それではまた。