【HNST】Honest ~デジタルマーケ×ベビーブランド~【ZATTOMee!】
どうも。(。・ω・。)
ひーくんです。
今回は「Honest($HNST)」という日用品メーカーがIPOすると聞きましたので記事にしました。化粧品研究者として、要チェックな企業です!
それでは始めましょう!
Honest Company($HNST)ってどんな会社?
会社概要
◆「Clean」「Sustainable」「Effective」「Thoughtfully Designed」の4本柱からなるブランドを有する日用品メーカー。
◆女優のJessica AlbaWarren(ジェシカ・アルバ)が2012年に設立。
〈彼女の信念〉
”Inspire everyone to love living consciously”
・健康と幸福は、人生を豊かに過ごすための基盤であり、誰もがアクセスできる。
・思いやりの心は非営利団体だけのものではない。(健康の公平性、持続可能性、社会正義に取り組む使命感を持った営利目的のモデルを目指す)
・意識の高い消費者への教育、コミュニティ、利便性を通じたサポートが必要。(コンテンツ、コミュニティ、オンライン・デスティネーションを構築)
◆2021年4月9日に米国での新規株式公開を申請。(COVID-19によるベビー用品、ローション、除菌剤などの需要の急増により業績好調だったためか?)
◆有色人種が従業員の約半数を占めている。さらに女性が従業員の68%、ディレクタークラス以上を含むリーダーシップの53%を占めており、ダイバージェンスが推進されている。(2020年12月31日時点)
CEO
Jessica AlbaWarren(ジェシカ・アルバ)
・世界的なビジネスリーダーおよび女優であり、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー「The Honest Life」の著者。
・ルーツはメキシコ系アメリカ人であり、ラテン系ビジネスや文化のリーダーたちの新主流派経済を牽引する。
・世界中で3,900万人以上のソーシャルメディアのフォロワーを持つ。消費者の心に響くかけがえのない能力を持っており、トレンドを促進して人口や世代を超えてつながりを持つことができる。
・彼女が発信する情報は、健康とウェルネス、子育て、家庭とインテリアデザイン、食べ物と飲み物、ファッションとアクセサリー、イベントなど多岐にわたるとともに、消費者へ積極的なアプローチも行っている。
・自身の経験を元にHonest Companyを設立する。
慢性的な病気、重度の喘息やアレルギーに悩まされ、何週間も病院に通う孤独な日々を送っていました。根本的な解決策がなく、10歳になる頃には、健康状態が人生を左右する、という自分の価値観を明確にし、これが会社設立までつながっています。
第一子を妊娠した瞬間、世界がひっくり返ったかのように何よりもこの新しい小さな命を優先するように。しかし出産祝にもらった赤ちゃん用の洗濯洗剤を使ったところ、アレルギー反応が出てショックを受けました。もし自分の子供が同じような反応をしたらどうしよう?と怖くなりました。
アレルギー反応が出ないような洗剤を手に入れるため、様々な種類の洗剤を買ったりましたが、お金も時間もかかりました。自家製のものも試してみましたが、あまり効果はありませんでした。ネットなどで詳しく調べてみると、日用品に含まれる特定の刺激の強い化学物質にさらされることで、慢性疾患や小児がん、学習障害、ホルモンの乱れなどが増加していることがわかりました。化学物質に関する法律の改正を求めて議会に働きかけましたが、人の健康がいかに政治的に扱われているかという現実に直面し、打ちひしがれました。
「アレルギーが出ない洗剤が欲しい」というニーズに総合的に対応し、同じような意識を持つ消費者のコミュニティをサポートし、透明性を優先し、効果と体に良いことのどちらかを選ばせないブランドを切望していました。
(S-1,FOUNDER LETTERより)
マーケット
◆“Clean and Natural”
おむつ・ワイプ、スキン・パーソナルケア、家庭用品・ウェルネス市場の「Clean and Natural」セグメントが桁違いに成長している。
→「体に優しい」製品に対する消費者の需要が高まっている結果である
◆米国クリーン&ナチュラル市場規模とCAGR(2019~2025年)
「紙おむつとおしりふき」:$1 billion(CAGR 16%)
「スキン&パーソナルケア」:$12 billion(CAGR 10%)
「ハウスホールド&ウェルネス」:$4 billion(CAGR 4%)
※米国日用品市場規模とCAGR(2019~2025年)
「紙おむつとおしりふき」:$8 billion(CAGR 2%)
「スキン&パーソナルケア」:$81 billion(CAGR 3%)
「ハウスホールド&ウェルネス」:$41 billion(CAGR 2%)
市場シェアはこれらの市場全体の5%未満であり、大きな成長の余地がある。
◆デジタルチャネルの成長
eコマースの総売上高は、実店舗ベースの売上高の7倍のペースで成長中。(2014~2019年)
→SNSやインフルエンサー、オンラインコンテンツなどを通じて、「Clean and Natural」製品の利点について啓蒙したり、デジタルエンゲージメントや購買を促進することで、eコマースチャネルの継続的な成長につながる。
※従来、「おむつ」「スキンケア・パーソナルケア」「ハウスホールド」の各市場市場の製品は、小売(店舗)チャネルが売上高の約80%を占める。(2019年)
◆ターゲット層
・性別、年齢、地域、民族、世帯年収などでは分類できないような「目的意識の高い消費者」。
・若く、モバイル中心で、デジタルに強い傾向。
・意欲的でスタイルを重視し、考え抜かれたデザインの製品を求めている。
・意識の高い生活を送ることに情熱を持ち、信頼するブランドの熱心なアンバサダーである。
ビジネスモデル
◆マルチカテゴリーの製品構成
→消費者の生活にますます不可欠な存在となり、妊娠・ベビー・美容・家庭用品などのニーズに応えることで、選ばれるブランドづくり、高いリピート購入率、魅力的な消費者生涯価値など獲得する。
(以下は2020年のRevenueに占める割合)
- 「おむつ・おしりふき」:63%
- 「スキンケア・パーソナルケア」:26%
- 「ハウスホールド・ウェルネス」:11%
〈なぜ「紙おむつ」が売上の中心なのか?〉
戦略的な消費者獲得ツールであり、HNSTの商品群を購入する入口として機能している。(親になったばかりの方は、おしりふきと併せて、スキンケア、ハウスホールド製品も購入することが多い。)
→実際、Honestで紙おむつを購入した者のうち、約90%が購入対象を紙おむつ以外にも広げており、約半数が紙おむつ以外の製品を2つ以上購入している。
◆“Content, Community, Commerce” strategy(デジタルマーケティング戦略)
SNSなどを用いてコミュニティと直接コミュニケーションができるようになることで、消費者のニーズを瞬時に理解することができ、製品開発への反映のリードタイムも短縮可能。
→従来の消費者向けパッケージ商品に対して大きな競争力を生み出している、他社との差別化につながると考えているようです。
ライフスタイルのプラットフォームを構築し、ソーシャルメディアやデジタルマーケティングを駆使して、ブランドの差別化と消費者との直接的な関係を構築。
→Honestの理想とする生活への情熱を共有する、非常に熱心なコミュニティを育成することで目的志向のブランドとしての評価をさらに高めている。
◆オムニチャネル・アプローチ
消費者がどのように買い物をしたいかを考慮し、消費者との深いつながりと幅広い利便性とアクセス性の両立を目指す。
2013年にはCostco、2014年にはTarget、2017年にはAmazonと戦略的パートナーシップを締結するなど、デジタルチャネルと小売チャネルの両方で小売アクセスを拡大し、統合されたオムニチャネルを構築。(Honest.comでおむつを購入した人の79%が、Honestのおむつを実店舗で購入。)
収益の55%をデジタルチャネル、45%をリテールチャネルから得ている。(2020年)
◆様々なカテゴリーで高いロイヤリティ
・紙おむつには、完全無塩素のフラッフパルプをはじめとする植物由来の原料を使用。
・「Extreme Length Mascara + Lash Primer」
パラベンやパラフィン、合成香料、シリコーン、鉱物油を使用せずに、まつ毛を持ち上げ、ボリュームアップする化粧品。
・アルコールワイプ、低刺激性の赤ちゃん用洗濯洗剤、植物由来の手指消毒剤、妊婦用ビタミン剤など数々のベストセラー商品を発売。
・COVID-19のパンデミックを受け、塩素系漂白剤や化学物質を使わずに作られた消毒スプレーも発売。
オムツ、パーソナルケア、ビューティの各ブランドの購入者を対象とした調査で、「体に良い」という信頼性、ブランドの個性、機能性の高さの各指標で1位または3位に選ばれている。
回答者の大多数が、Honestのおむつを友人や家族などに勧めたいと答えており、おむつを主に購入している消費者のネットプロモータースコアは78となっています。
2021年1月に実施した消費者調査では、Honestのブランド認知度は25%だった。
競合
「おむつ・おしりふき」
Kimberly-Clark Corporation、Procter & Gamble Company(P&G)、Johnson & Johnson Consumer Inc.(J&J)
「スキンケア・パーソナルケア」
Johnson & Johnson Consumer Inc.(J&J)、The Clorox Company、Unilever PLC、LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton、Estée Lauder Inc.、L'Oréal S.A.、Pacifica Beauty LLC
「ハウスホールド・ウェルネス」
The Clorox Company、Reckitt Benckiser Group plc、Unilever PLC
競合他社の多くは、資金力やフルフィルメントインフラ、技術力、マーケティング、大きな顧客基盤などのリソースが充実しており、その製品の中にはすでに市場で受け入れられているものもある。
→同等の製品または代替製品を同等またはより低いコストで消費者に提供できる可能性があり、価格競争(収益や利益率の悪化、シェア低下)につながるリスクも。
業績
FY2020
☑ Revenue:$300.5 million(△27.6%, YoY)
☑ Gross margin:35.9%(△370 bp, YoY)
☑ Net loss:$14.5 million(△$16.4 million, YoY)
☑ EBITDA:$11.2 million(4% of Revenue)
☑ EPS:-$0.85(△0.98, YoY)
→売上は堅調に推移している。
一方で売上成長率をQoQで見るとそこまで伸びは大きくなく、直近では伸びが鈍化している。しかしYoYではQ1:35.8%, Q2:16.5%, Q3:38.3%, Q4:22.0%の成長となっており、堅実な成長が確認できる。
キャッシュフロー
・営業CF:ワイプ、除菌製品、2020年の新イノベーション製品など、事業全体の成長を支えるための在庫投資2,410万ドル。
・投資CF:短期投資の売却・償還による収入がそれぞれ580万ドル、5,350万ドル。
・財務CF:ファイナンス・リース債務の元本支払額100万ドル。
トピックス
☑ 2020年の「Parents」Best for Baby賞、Allure Best of Beauty賞など、100以上の賞を受賞。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
以上です!
ちなみにIPOの日時はまだ確定していないようですので、フォローしておかなくてはいけませんね。
それではまた。