Cosmetic Developer Blog...

ZATTOMee! ~研究者の投資blog~

米国企業・業界を”ざっと見”するブログ。初めての方でも興味を持ってもらえるよう、5年後、10年後に少しでもいい生活ができるように勉強したことや実践したことを発信中!

【NNDM】Nano Dimension 決算 ~インク屋さん、復調か?~【ZATTOMee!】

f:id:hideson:20210317224010j:plain

 

どうも。(。・ω・。)

ひーくんです。

 

 

今回は、先週FY2020の決算が出た「Nano Dimension($NNDM)」の決算をざっと見していきます!

 

 

 

 

 

それではさっそくはじめましょう!

 

 

 

 

 

 

ナノ・ディメンション (Nano Dimension, NNDM)ってどんな会社?

Nano Dimension

 

会社概要

イスラエルのコンピュ―タ画像印刷、3Dプリンター会社。

多層印刷配線基板用プリ ンターなど3Dプリンターの研究開発のほか、ナノテクノロジーベースのインクの開発に注力する。伝導ナノ銀粒子インクや絶縁ナノ・ポリマ―・インクなど

◆Additive Manufacturing Electronics(AME)業界のリーダー。

-デジタル化された電子回路を機能的な高性能デバイスに変換する唯一の技術

-12件以上の特許を取得し、30件以上の特許を申請中。

 

◆Ark社が大株主である。

→「Ark社」を詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

www.benzinga.com

→※ArkのCEOであるキャシー・ウッド氏は、同社の経営陣に感銘を受け、同社が技術分野を拡大して成長していることに好感を持っている、と述べた。特に、同社が防衛機関と契約していることを強い信頼の証として挙げている。

 

 

 

製品・ビジネスモデル

AME(Additive Manufacturing Electronics):

 従来の製造プロセスでは製造できない複雑な形状の電子基板を作れる独自技術

f:id:hideson:20210130225028p:plain

AMEシステムの特徴(HPより改変)

〈メリット〉

 ・製造時間を短縮できる。

 ・いくつもの部品を、組み上がった1つのパーツで印刷可能。

 ・複雑なデザインも印刷可能。

f:id:hideson:20210315223513p:plain

 

〈販売した3Dプリンティングマシンの内訳〉

-DragonFly Pro:49台

-DragonFly LDM機:14台(2019年Q3以降) 

※DragonFly ProのLDMへのアップグレード: 36台(2019年Q3以降)

※DragonFlyのサービス契約:41件(全体の65%)

 →DragonFly(プリンター)の最新版、「LDM」モデルが好調なようです。従来モデルからの切り替えも70%程で進捗しています。^^

 

 

Razor-Razorblade Model:規模に応じた定期収入モデル。 

・システムのインストールベースに伴う消耗品需要。

・顧客のインク消費量の増加。

・印刷電子部品(AME)や消耗品の普及。

などを介して、経常収益が増加する仕組み。

 

 

 

NaNoS℠ :プロトタイピング(試作)サービス。

→共同製造などで少量試作などに短納期で対応。

f:id:hideson:20210131001654p:plain

NaNoS model

 

→NaNoSは収益源として拡大していくと言っていますが、COVID-19以降の設備投資が終わった後の DragonFly 購入ルートとしても活用することを見込んでいるのではないかと考えています。

システム製造受託 → 高評価 → 機器導入^^♪、みたいな流れですかね)

 

 

◆航空宇宙、自動車、防衛技術、ヘルスケア、オートメーションなどをターゲットにしている。

f:id:hideson:20210130231644p:plain

NNDMのコアターゲット

 

 

◆顧客:防衛関連企業(HENSOLDT、独)など60箇所との取引がある。

f:id:hideson:20210315225114p:plain

NNDM:顧客ピックアップ


 

 

 

▼こちらの記事でも詳しく書いておりますのでご参照ください▼

(一番の人気記事です^^)

hideson-gifufufu.hatenablog.com

 

 

 

トピックス

国際宇宙ステーションの無線周波数の回路の耐久テストに使われているようですね。もしかして宇宙銘柄でもある可能性もあるんでしょうか?

www.3dprintingmedia.network

 

 

◆OCTOBER 12th, 2020: The American Dream: Bringing Factories Back to the U.S.(1)

マッキンゼー・グローバル・インスティテュートのレポートによると、「バリューチェーン全体で、1つの国が輸出の70%以上を占めている製品が180ある。1つの国が輸出の70%以上を占めており、ボトルネックになる可能性がある」としています。さらにその製品の多くは、中国から輸入されており、リスクと考えられている。

→国内生産、自社製造の流れにつながるのでは?

 

 

 

財務分析

業績(FY2020)

☑ Revenue:$ 3.39 million(▲51.9%、YoY)

☑ Gross profit:$ 1.07 million(▲46.4%、YoY)

☑ Net Loss:$ -48.49 million(▲580%、YoY)

☑ EPS:$ -1.13(△$1.25, YoY)

f:id:hideson:20210315231844p:plain

NNDM:FY2020 annual reportより

→前年比では厳しい数字が続いています。しかし、QoQで見てみると、回復の兆しは見えてきているように思います。

 

☑ 研究開発費が前年同期比で2倍以上に増加。($1.52 million → $ 3.72 million)

→「主に給与および関連費用の増加および研究開発努力の増加による材料費の増加」によるものだそうです。

 

 

 

業績(2020Q4)

☑ Revenue:$ 1.97 million(▲0.3% YoY、△350% QoQ)  ☚ Beat予想の約2倍!

☑ Net Loss:$17.43 million(12倍 YoY、△15.9% QoQ

☑ EPS:$0.20 ☚ Miss

→Revenueの大きな改善が注目されています。

 

Nano Dimension Reports 2020 Fourth Quarter and Full Year 2020 Financial Results Nasdaq:NNDM

 

 

業績(2020Q3)

☑ Revenue:$ 0.44 M(▲80.5%、YoY)

☑ Net Loss:$ -20.7 M(▲17.7%、YoY)

☑ EPS:$ -0.45

→Revenue(F:$ 1.2 M)、EPS(F:$ -0.08)ともに市場予想を下回った。

f:id:hideson:20210130233514p:plain

NNDM:2020Q3 reportより

 

 

四半期ごとの決算を見るだけではなんとも言い難いので、2018年あたりからの推移を作成しました。(青:Revenue、赤:Growth Mergin)

f:id:hideson:20210315234828p:plain

NNDM:RevenueとGrowth推移(2018-2020)

→2020年はコロナ禍の影響もあってか、Revenueが大きく減少し、売上成長もマイナスとなっていました。

しかし2020Q4ではRevenueが大きく回復しています。YoYで見るとおおきなマイナスとなっていますが、QoQで見てみると、業績の回復が伺えます。

 

この業績の回復が、投資家たちの買い材料になっているのかもしれません。

 

 

 

〈株価〉

f:id:hideson:20210315220622p:plain

NNDM:直近1年の株価推移(Bloomberg

 

株価は堅調に伸びていますが、2021年に入ってからはやや軟調ですね。

2月中旬以降の金利上昇に伴い、株価は大きく下落しています。 (2021年の最高値から50%ほど下落)

 

 

 

この記事を書くまで不思議だったのが、

決算をMISSしているのにここ数日株価が上昇していることです。

※大幅な業績悪化にもかかわらず、3月11日には17%以上の上昇を記録しています。

 

 

僕の考えでは、

予想を大きく上回るRevenueの回復

金利上昇が一服した地合い

の2点によるものかな?と思っています。

 

 

(ちなみにこんな記事も出ています。^^;)

investorplace.com

 

 

 

 

 〈所感〉

決算見る限り、コロナの影響をもろに受けてしまっている印象を受けますが、Q4で回復してきているので投資するにも面白いタイミングだと感じています。

また、アフターコロナでの「内製化(in house)」において、3Dプリンターの需要は高まっていくと感じているので、ハード(プリンター)ではなくソフト(インク類)で売上をしっかり立ててるようになれば、大変強い企業になるかと。

(要チェックですね!)

 

 

 

また個人的には、

FAIL SAFE “BIOTECH-LIKE” INVESTMENT MODEL」が面白かったです。

(※バイオテックのようなアップサイドはあるが、バイオテックとは逆に、どの段階で失敗しても、ダウンサイドは既存事業を向上倍率で売却することで限定できる、とNNDMは主張しています)

 

 

まとめ

それでは今回の記事をまとめます!

 

ポイント
  • NNDMは3D業界の主要企業!Ark社も投資している注目企業。
  • 決算はイマイチ…。ただしQoQでは回復気味!
  • 長期的には上だろうけど、直近はどうかな…?

 

 以上です!

 

個人的には「イスラエル」+「3Dプリント」ということで、長い目で見ていきたい銘柄ですね。^^

 

よろしければこちらの記事も参考にしてみていください。

▼ ▼ ▼ ▼ ▼  ▼ ▼  ▼ ▼  ▼ ▼  ▼ ▼  ▼ ▼ 

hideson-gifufufu.hatenablog.com

 

 

それではまた。