防腐成分ってどんなものがあるの?
化粧品試験シリーズ第7弾。
今回は「防腐剤」について簡単にまとめていきます。
防腐剤は全部が悪者ってわけではないこと、伝わるといいなあ。
防腐剤ってどんな種類があるの?
有機酸(またはその誘導体や塩)
カルボキシ基(-COOH)をもつ化合物の総称です。
結晶性の固体が多い防腐剤群です。
塩以外は水に不溶性のものが多いので、特に指定がなければ塩を使いましょう。
※今回も塩として列挙しておりますのでご留意ください。
《成分例》
- サリチル酸Na
→角質軟化剤、ニキビケアに使われています。
- デヒドロ酢酸Na
→上の2つと異なり、中性でもある程度効果があります。
→幅広い微生物に効果を示し、無臭で低コスト、揮発しない特徴があります。
また抗菌性を示す濃度では安全性が確認されていることから、もっとも汎用されている防腐剤です。(なお、その安全性の高さから、医薬品にも1920年代あたりから使用されています。)
- ソルビン酸Na
フェノール類
フェノール基を構造として持つ化合物の総称です。
結晶性を持ち、水に難溶性のものが多いです。
殺菌力は強く、皮膚刺激性に注意が必要です。(パッチテストで要確認!)
《成分例》
- イソプロピルメチルフェノール
- グルコン酸クロルヘキシジン液
- クロロフェネシン
- フェノール
- ベンジルアルコール
- フェノキシエタノール
→パラベンより抗菌効果は低いが、水溶性が高い成分です。
パラベンフリーの潮流により、使用量が増加している防腐剤です。各国の規制値は統一で <1.0%となっています。
4級アンモニウム塩(カチオン系界面活性剤)
4価のアンモニウム塩です。
殺菌力が高いうえに、比較的水に溶けやすいので使いやすいです。
(※溶媒に高級アルコールなどが使われていると溶けませんのでご注意を。)
というか、トリートメントであればほぼ確実に入ってます。笑
ただし、pHに依存して抗菌性を示すため、pHには注意が必要です。
例えば私が今使っているカチオンは、pH=4.1~4.2あたりが最もよく働きます。
この至適pHはカチオン毎に異なるので、前例に倣わず確認しておきましょう。
《成分例》
多価アルコール(特にアルカンジオール)
2個以上のヒドロキシ基(-OH)を持つアルコール類のこと。
アルキル鎖の末端付近に存在する方が、水分への親和性が高くなり、
より多くの水分を自身で抱え込むため、微生物が必要とする水分を奪いやすく、
抗菌力が強くなります。
→これは、炭素数が大きいほど、アルキル基が大きくなり、多くの水分が必要となるためです。
炭素数の多いものにより強い抗菌作用があると言われており、
またヒドロキシ基の結合位置が1、2位のものが抗菌性が高いです。
ただし、グリセリンやソルビトールは単独では効果がありません。
保存効力を発揮するのは防腐剤だけなの?
防腐代替剤
防腐剤に指定されていないが、防腐剤に匹敵する効果を持つ成分。
(なんで指定されてないんだろう...?)
「防腐剤フリー」を謳える成分として、配合製品が増えてきているようです。
《成分例》
- エチルヘキシルグリセリン
- カプリルグリコール
防腐助剤
終わりに