【企業分析】決算反省会 ~NLSの失敗を振り返る~【ZATTOMee!】
どうも。(。・ω・。)
ひーくんです。
最近、決算が続いていますね。
いろんな企業の決算を見ることができて、
個人的にはすごい楽しい時期です。
先日22日のNLSの決算、僕は持ち越しで臨みました。
記事にも書くくらい調べているつもりでしたし、
業績の伸びから言っても予想を上回ってくるだろうと思っていました。
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いざ決算!
・売上高は四半期で過去最高。^^♪
・粗利も前年比で大きく伸びていました。^^♪
「これは期待できる!」と株価を見守っていました。
しかし肝心の株価は…。
3日間で ” ▲ 32%!!”
いやー、見事にやられました。^^;
(数字的には良かったんですけどね…?)
いくら決算が良くても、株価が落ちることはある
という学びにもなりました。
今回は自戒の意味と、読んでくださっている皆さんが同じ目に遭わないように企業分析で自分が至らなかった部分を見つめ直し、反省点としてまとめました。
今後の投資の参考になれば幸いです。
それでは、はじめましょう!
なぜNLSは下げたのか?
直近(2月22日)に発表された決算が良くなかったからなのか。
まずは決算書を見てみましょう。
2020Q4決算書
☑ Revenue:$ 189.3 M(△81.7%, YoY)
→Schwinnn® IC4、Bowflex® C6、VeloCore®などのコネクティッドフィットネスバイクの継続的な需要と、SelectTech®ウェイトとBowflex®ホームジムが牽引。
☑ Gross Profit:$ 77.9 M(△104.1%, YoY)
☑ Gross Margin:41.1%(△10.9%, YoY)
→ダイレクト事業でのフルプライス販売の増加、小売事業での卸売マージンの改善、固定費の増加。
☑ Net Income:$ 28.9M(△729.8%, YoY)
決算書以外の数値(Presentationより)
☑ 新規顧客:△300%<
☑ 製品HP(Bowflex.com, schwinnfitness.com)などへの流入増。
☑ 元々ジムに通っていた人の20%が、"ジムには戻らない"と回答。
→コネクテッドフィットネス市場の拡大
(ジムトレーニングと自宅トレーニングとのバランスを見直す、などの回答も)
☑ 現在の高い需要の一部は長期的に継続する?(やや楽観か)
じゃあなんで株価は落ちたのか?
私は、今回の下落の原因は大きく2つあると思っています。
1つは、「Revenueの目標未達」です。
基本的にコンセンサス(市場が予測している期待)を裏切らないのが良い株だと言われています。そのため、市場の期待に応えられない(コンセンサスを下回る)銘柄は売られてしまいます。
そのため、売上・EPSのコンセンサスが株価に与える影響は大きく、
ホールドしている売上・EPSのコンセンサスを把握しておくことは大変重要です。
それでは今回のコンセンサスと決算を見てみましょう。
☑ Revenue:$189.26M(Miss...) [Estimate:$191.73M]
☑ EPS:$0.97(Beats!!) [Estimate:$0.75]
→EPSはよかったんですが、Revenueが下回るのはいただけないですね…。
企業としての成長指標の根幹になるところなので、
ここが未達だと評価は厳しくなりそうです。
もう一つは、
「コロナショックによる物流の混乱」です。
Q3時点で以下の懸念事項が挙げられていました。
- 売上高の成長支える安定的なサプライチェーン
- 物流オペレーションコストによる売上総利益率の圧迫
※事実、下期の営業費用は上期に比べて増加していました。
また、Q4決算書でも、
☑ 輸送用コンテナの深刻な不足により、1,600万ドル以上の収益を占める一部の工場出荷済み注文が12月下旬に出荷されなかった。
→コンテナの不足、世界的な物流の混乱の悪化、工場の生産能力の継続的な制約により、9,150万ドルのバックログが発生しました。
(※売上の50%程のバックログが生じている。)
☑ Gross Marginの一部が、物流の混乱による輸送コストの増加によって一部相殺。
など、サプライチェーンによる売上の圧迫が大きな要因となっているようです。
次に示す情報も、Presentationに盛り込まれていました。
今回の決算、プレゼンでこの物流に対する課題解決案の提示が明確でなかったことがきっかけになり、「失望売り」となったと考えています。
※金利など地合いもあったと思いますが、それについては株式全体にかかることなので今回は抜きました。
今回の反省点
今回の決算持ち越しに際して、自分ができていなかったと思うポイントは次のとおりです。
- 他社の情報収集、比較が不十分
- マクロ視点が足りない
- 早い段階での損切り
- 地合い、バリュエーションを考慮する
それでは、順番に見ていきましょう。^^
他社との比較が十分にできていない
今回痛感したのはこの点です。
業界のことや銘柄のことは調べていても、
他社がどんな動きをしているのか、
またその動きは「独自のもの」なのか「業界として」なのか、
を精査できていなかったことが大きな敗因だと思っています。
例えば、ノーチラスと同業種のPTONの決算を見てみます。
以下にざっとまとめてみました。
Peloton($PTON)の決算(2021Q2)
☑ Revenue:$1.06B(△12%, YoY) vs$1.03B ○
☑ EPS:$0.18 vs$0.09 ○
☑ Connected Fitness Subscriptions:167万人(△134%)
→機器+レッスンで $49/month。
☑ Digital Subscriptions:440万人(△472%)
→機器なしで $12/month。
▶️納期短縮の追加投資を計画
Peloton における輸送問題はかなり深刻。アメリカ国内に運べない。
ー納品に4~5ヶ月程度かかっている。
ー海上での輸送費 → 3倍くらいに値上がり。
ーロサンゼルス港の荷捌きスピード → 3倍以上かかるように。
①配達短縮のためロジスティクスに105億円投資
空輸や別の港の開拓などをすることによって、台湾(Shin-ji )から入ってくる機器を速やかに入れるように整備していく。
②アメリカ大手業務用フィットネス器具メーカー「Precor」の買収
Precorは、こうしたバイクやトレッドミルだけでなく、さまざまなトレーニング機器を作っています。純粋な製造拠点拡大だけに止まらず、アメリカ国内の流通にも貢献してくれそう。
PTONを見ると、
「好決算」+「物流改善のための対応」が見えてきます。
さらに、PTONでも「出荷が滞おっている」ということは報告されており、物流に問題が生じていること、非デジタル製品は少なからず影響を受ける可能性がある、ということは推察できたはずなんです。
つまり、NLSにも同様のこと(出荷遅延)が起こりうることは考えられたわけです。
NLSは「好決算」だったものの、
「物流改善のための対応」については明確な手を打てていませんでした。
こうなると、課題解決が期待できるPTONの方が期待できるよな、と。
実際のNLSとPTONの株価の推移を見てみましょう。
うーん、2社とも決算が良かったにもかかわらず株価が大きく下落しているのは
「物流課題」+「地合い(金利上昇局面)」なんでしょうか。
これはさておき、
PTONは好決算でも地合いなどの影響もあり、
株価を大きく下げています。
売上規模などで見ても、PTON<NLSとなっており、
同業種のPTONの株価が軟調であれば、
大きな差別化ができていない限り、同じような動きをする可能性は
頭に入れておくべきでした。
決算後の株価は上でお伝えしたとおりですね。
やっぱり好決算でも大きく売られました。
株式市場の格言に
「噂で買って、事実で売る」というものがありますが、
今回のNLSは典型的なこのケースでした。
コロナ特需やここ一年の売上を見ても、売上成長は期待できていましたし、事実過去最高の四半期売上をたたき出してくれたのですが、コロナ禍で売上が上がっても、商品が届けられなければ意味がない、ということを痛感しました。
この悲劇は、もっとPTONとかを調べていれば、
ある程度防ぐことができたかもしれません。
マクロ視点で情報を捉えられていない
なかなか難しい観点だと思います。
最近痛感しているのは、
「全てはつながっている」ということですかね。
今回の例で行くと、
何度も「海運」が逼迫している、というニュースは何度も報道されているんですよね。
コロナ禍の初期段階では、
自動車やパソコンの部品供給の要であった中国のサプライチェーンがダウンし、
メーカーの業績に大打撃を与えていました。
2021年になってもサプライチェーンは改善しておらず、
バイデン大統領も改善を目指して取り組んでいるような状況です。
また、海上輸送セクターの指数として知られる
「バルチック海運指数(BDIY)」も見てみます。
→コロナショック以降、高止まりしています。
このことからも、海運輸送の需要が急増していることが読み取れます。
同様に、海運が不足している、
深刻なコンテナ不足などのニュースもあったと思います。
これらの情報は、
日々のニュースやSNSで入手することができる情報です。
しかしこのニュースを、
自分がマークしている、もしくは保有している銘柄に対してどんな影響があるのか?
ということを考えているでしょうか。
僕は、「すべてがつながっている」という考え方が出来ていなかったからこそ、
今回のような失敗につながってしまったんだと思います。
何気ないニュースでも、世の中の流れを掴むヒントになりうる、
ということをこの失敗から教えてもらいました。
アンテナを立てて情報を集めるだけではダメ。
能動的に集めた情報だけでなく、受動的に手に入った情報からも考察できる力を磨いていかないとダメですね。
変に期待して損切りが遅れた
決算持ち越し後、直ぐに売るべきでした。
決算を受けて株価が下がっている中、
「数字は良かったし、地合いに飲まれているだけでこのあと上がるんじゃ…?」
などと甘い考えが頭をよぎり、その日の引けまでに損切りができませんでした。
(今考えたらゾッとする思考ですね。怖いわ…。)
すると次の日、プレマーケットですでに▲10%。
その日の取引を終えた時点で▲23%(前日比)となっていました。
決算「は」よかったからホールド、という甘えは通用しませんでした。
期待が大きい銘柄ほど決算が悪いと大きく売られてしまいます。
特にNLSのような成長株では、市場の期待を背景に勢いよく上昇している銘柄も多いため、コンセンサスを下回るとひどい売られ方をする、ということを今回の件で痛感しました。
決算の数字が今回たまたまなのか、今後も続いていけるような数字なのかを見定める必要があります。
さらに言うなら、数字が良くてもその企業の不安要素はないのか、ということも確認した上でホールドすべきでした。
というより、そもそも決算のガイダンスを越えられなかった時点で一度手放すべきでした。一度切っても、上がることを確認してからまた入り直せばよかったわけですし…。
ここはめちゃくちゃ反省しています。
これが出来るだけで今回の損失のうち、
25%くらいは抑えることができましたし…。
ここはシビアに行くことで、損失を抑えることができる
一番簡単な方法です。
今後徹底していきます。
地合いやバリュエーション
今回の決算のタイミングは、
NLSにとって厳しいタイミングだったのも要因ですかね。
というのも、1月中旬あたりからコロナの新規感染者数がピークアウト、2月以降は減少しており、コロナ収束や景気回復が強くイメージされ始めたように思います。
→グロースから資金が抜け、アフターコロナ銘柄へ。
同時に長期金利も上昇しており、
NLSなどのグロース株には厳しい市場環境だったように思います。
→上がりすぎたバリュエーションの是正タイミング。
(特に高PSR銘柄が大きく株価を下げた。)
これらの要因をしっかり理解していれば、
・金利が上がる局面で決算を迎えるべきか?
・リスク < リワードとなっているか?
・地合いが悪くても上がる銘柄か?
などを検討した上で決算に望む時間はあったと思います。
今回は地合いが特に株価を押し下げた印象があります。
(PTONも下げていたことを考えると)
所感
いくら決算が良くても株価が落ちることはあるという学びにもなりました。
なによりなぜ落ちたのか、という原因を真剣に調べるきっかけになったので
今回の件については、自分自身にとっては大きくプラスになったかと思います。
(資産面では大きくマイナスですが…。T-T)
「差別化」とは、競合他社と比較してどのような優位性があるか、
という意味で捉えておりましたが、
実のところ、同業種が共通で持つ課題をどのように解決しているのか、
という観点で見るようにすべきだと考えました。
もし共通の課題がまだどの企業も解決できていないようであれば、その業界への投資は一旦ペンディングとすべきだ、という冷静な判断ができるように今後も相場に向き合っていきたいです。
また余談ですが、
僕は今後いつか再度NLSにinするつもりでいます。
タイミングとしては、2021年下期ぐらいを見ていますね。
これくらいの時期になったらロジスティクス(物流)が改善しているのでは?
↓
業績の押し下げ圧力がなくなり、売上成長が見込めるのでは?
と考えているためです。
しかしこの仮説には、大前提として、
「会員数の伸び、継続率などが維持される」という条件があります。
2021Q1の決算を見てから、その時期に入るか、
そもそもNLSに入るのかは見定めていきたいですね。
ただし上記のとおり、
ジム → コネクテッドフィットネスの動きは加速するように思います。
フォローしていきたい業界ですね。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- 決算が良くても様々な要因で株価は下がることはある。
- 損失を防ぐためにも、多角的な分析が必要。
- 「他社」「マクロ」「地合い」は要チェック。
- 「損切りライン」は必ず守る。
- 2021年下期にまた会いましょう。^^
以上でーす!
皆さんの株式投資の参考になれば幸いです。
その他、こんなことしてるよってことあればぜひ教えてください…!
それではまた。