【業界ざっと見!】~半導体編~【ZATTOMee!】
どうも。
ひーくんです。
半導体業界の概要を初心者向けにざっとまとめました。
随時追記していきますのでトレンドフォローにも。
今回は「半導体」について調べたことをざっと並べていきます。
などの疑問にわかりやすくこたえられるような記事にしました。
ただしあくまで自分用のメモ程度ですので、参考までにとどめてください。^^
それでは行きましょう!
半導体について
半導体とは?
最近ニュースなどでもよく聞く「半導体」。
なんとなくはわかるけど、説明できる人って意外と少ないのではないでしょうか。
かくいう僕も、この業界の人ではないので、実のところ詳しくは知りません。(←なんで書いた)
ですのであくまでこんな感じ、というふうに分かってもらえたら嬉しいです!
「半導体」:
一定の電気的性質を備えた物質のこと。
物質には電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」とがあり、半導体はその中間の性質を備えた物質である。
また半導体とは、トランジスタ、ダイオードなどの素子単体(ディスクリ-ト半導体部品)や、トランジスタ等で構成される回路を集積したIC(集積回路)を総称したものを示すこともある。
(出典:日立ハイテクHP)
難しいことが書いてありますが、要は『ハイテクなものには必ずと言っていいほど入っているもの』と思ってもらえれば十分かと思います。^^
小難しいもののようですが、実は半導体はすごい身近なもので、スマホを始め、家電やゲーム、車、通信機器など、電気が通っているものにはだいたい入っています。
昨今のブームにおける半導体需要の主要分野は、
などが挙げられます。
※特に (☆)は、今回の半導体ブームの特徴であり、重要な需要分野です。
半導体って何をしているの?
半導体がやっていることは大きく分けると次の3つです。
ひとつの半導体ですべてができるわけではないので、それぞれの機能を持った半導体を別のメーカーが作っているわけですね。
ただし、半導体は製造工程が複雑で、作るのがめっちゃ大変! なんです。
☛つまり、作れるメーカーが限られているってことです!!
設備投資も高額で、1つの工程の設備を導入するのに数百億円ものの費用が必要になります。そういう事情もあって、参入障壁はやや高い業界かと思います。
半導体の実際の製造フローは細かすぎるので割愛しますが、大まかな製造フローは次のとおりです。
〈半導体の大まかな製造フロー〉
実際にどんな企業があるのか、フローと合わせてみてみましょう。↓
※ライセンス:設計図利用への使用許諾のこと。
こうやってみると、単純に半導体といっても、担当している工程が大きく異なることがわかります。
半導体業界の現状(2020年)
半導体がどんなものかわかったところで、「どれくらい売れているのか」「どれくらい需要があるのか」、半導体の市場を見ていきましょう。
まずはじめに、半導体はここ数年で急激に需要が増加しています。
その背景には、EVや5Gなどといった業界の拡大によるもので、例えば在宅ワークや電気自動車(クリーンエネルギー)の業界が成長し続ける限り、半導体の需要はどんどん出てくる、というチート仕様なわけです。
半導体市場の伸びを見てみる(SOX指数)
SOX(フィラデルフィア半導体株)指数とは、半導体メーカーや半導体製造装置メーカー30社で構成される指数。(インテル、AMD、クアルコムなど)
☛ これを見れば、「半導体市場の伸び」がわかります!
めっちゃ伸びとるー!
2020年は、コロナショックで大きく凹むものの、その後立て直し、在宅ワークなどの定着も追い風となり、結果として2019年よりも高値で終わっています。
(※アメリカ株式のS&Pよりも、30%ほどいい成績を残しています笑)
個別銘柄では差がありますが、指数(業界)としては大きく伸びていますね。
それでは次は細かく見ていきましょう!
世界の半導体市場動向
〈2020年〉 前年比+5.1%(予測)
(+)5Gスマートフォンの増加、ライフスタイルの変化による"巣籠り需要"
(+)在宅勤務やオンライン授業(パソコンやデータセンタ関連機器の需要)
(-)COVID-19による自動車業界を始めとした世界経済の悪化
☛ 世界経済に比べて半導体市場は堅調に推移していると考えられる。
※2019年は前年比-12.0%
2018年はDRAM・NANDといった汎用メモリバブルによって、 史上最高値(約4700億ドル)を更新した反動。(2018年が高すぎた、成長を前借りした感じですかね。)
☛さらに米中貿易摩擦などによる世界経済成長の失速も要因か。
★半導体の需要サイクルも気になるところ。
→GAFAMなどの大手企業が2018年に設備投資を拡充したせいで、2019年の需要が反動で減少した!
〈2021年〉 前年比+8.4%(予測)
・COVID-19を巡る状況の改善を前提に世界経済も回復する
・半導体市場も成長が加速する予測となったと考えられる。
・2020年に打撃を受けた自動車業界の急回復による関連市場は高成長
・5G化の更なる進展が幅広い製品の需要拡大に貢献する
- WSTSは、2021年に過去最高の4,700億ドルに到達すると予想している。
- 来年は全世界で市場が拡大する見込み。
- アメリカの成長が強い。全世界の成長を牽引している。
- アジア圏の伸びが堅調。特に中国、台湾(TSMなど)か?
製品別市場動向(世界市場)
〈2020年〉(予測)
◆ ディスクリート:前年比-1.2%(市場規模 236億ドル)
◆ オプト:前年比-2.6% (市場規模 405億ドル)
◆ センサー:前年比+7.4% (市場規模 145億ドル)
◆ IC全体:前年比+6.4% (市場規模 3,546億ドル)
【IC製品別の予測】
◇ メモリ半導体:前年比+12.2%
☛在宅需要による個人向けPC置き換え、サーバー増強などが追い風。
※下半期は在庫積み上がりによりメモリ価格が下落、若干の失速。
◇ ロジック半導体:同+6.5%
☛在宅需要を追い風にした旺盛なデータセンター向け投資、5Gサービスの立上りを背景に成長が加速。QualcommやAMD、NVIDIAなどのファブレス半導体メーカーと最先端プロセスで製造するTSMCなどが寄与した。
◇ アナログ半導体:同+0.0%
☛世界各地のロックダウンにより車のディーラーが閉鎖、車体メーカーの生産ラインもストップし工場設備投資や車載向けのFCST激減。アナログ半導体市場は車載向けをメインにマイナス成長見込み。
→下期から中国を筆頭に車載需要が回復、一気に急成長。
※半導体メーカーの出荷は増えずに供給難、アナログ半導体は超忙しい。
〈2021年〉(予測)
◆ ディスクリートは前年比+7.2%、市場規模253億ドル
◆ オプトは同+10.2%、市場規模 446億ドル
◆ センサーは同+7.8%、市場規模156億ドル
◆ IC全体は同+8.3%、市場規模3,838億 ドルと予測した。
※ICの製品別予測では、メモリは前年比+13.3%(データセンター向け、5Gスマホ需要)、ロジックは同+7.1%(データセンター、5Gスマホ需要)、マイクロは同+1.0%、アナログは同+8.6%(車載需要の回復などにより需要は強い)と予測した。
- 単に「半導体」といっても、どの製品も伸びたわけではない。
- 今後、伸びが期待されるのは「アナログ半導体」か。
- データセンター、5Gスマホ需要によりQualcomm、AMD、NVIDIA、TSMC、Samsungなどが恩恵を受ける?
- アナログ半導体の慢性的な供給不足と、米国の中国上場企業への対応がどう解決するのかに注意が必要か。(下記記事参照)
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※WSTS(半導体市場統計)
世界の半導体メーカが自主的に加盟している半導体市場に関する世界的統計機関。WSTSは、加盟会社の半導体販売額・販売数量の実績値を製品別・ 地域別に同一分類基準で毎月集計し、それを基にして作成した統計を発行している。WSTS半導体市場統計は、世界の半導体市場を同一基準で分類、集計した統計として世界唯一のものである。(WSTSに加盟している半導体メーカは現在46社)
半導体市場の今後は?
世界半導体出荷金額は、過去最高まであと少しのところに来ています。(2020年10月時点)
→早ければ6カ月以内、遅くとも1年以内には、過去最高の半導体出荷金額に到達する可能性があります。
また富士キメラ総研の予測では、半導体市場は、2025年に2019年の2倍の規模になる、としています。
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〈2025年世界市場予測(2019年比)〉
■注目市場
DRAM:13兆円(94.0%増)
→データセンターによるサーバー増強が進み、需要増加が期待される。
■TOFセンサー:3,143億円(3.2倍)
→スマートフォンやスマートグラスで搭載が進み、市場拡大が期待される。
(出典:『2020 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望』)
(2021.1.27 追記)
さらにARK investでは、
2030年までに、「アクセラレータ」は、CPUをメインサーバの計算エンジンとして置き換えられるはずだ。
と述べています。
※アクセラレータ:もとになるシステムの性能を強める働きをするものの総称。
GPU, Tensor Processing Unit(TPU), Field Programmable Gate Array(FPGA)など。
→人工知能(AI)、ビッグデータ、創薬、クラウドゲームなどへの活用が期待される。
また以下のグラフからも「アクセラレーター」分野の拡大が見込まれます。
現在もめちゃめちゃ伸びている業界なのに、数年後には2倍になるって、伸びしろ半端ないって。^^
トピックス
しかし一方で、先程も書いたとおり、作れる企業は限られている、というのがネックになってきます。
上記のとおり世界的に需要は伸びてきているのですが、その需要の伸びが急すぎて各メーカーの生産能力が追いついていないのが現状です。
そのため供給が追いついておらず、最近では自動車業界でも不足している、とのニュースもあるほどです。
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(2021.2.18)
半導体生産に打撃
◆米テキサス州を"大寒波"が襲い、停電が長期化しており、復旧めどたたず
→発電所や天然ガスパイプラインが凍結
◆同州オースティンには半導体メーカーが集積しており、サムスンなど操業停止
◆自動車メーカーは元々半導体不足で供給制約。一段と情勢厳しくなるか。
(Texas winter storm blackouts hit chip production)
Disruption at Samsung and other plants threatens to exacerbate global semiconductor shortage
■ 車載向け半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場火災が半導体不足のタイミングと重なり、自動車業界の供給網が揺らいでいる。ルネサスは約1カ月での再開を目指すが製造装置も需給に逼迫が生じており実現には課題が残る。
(トヨタなど日系自動車メーカーには少なからず影響がありそうです)
半導体の需要サイクル
また上述したとおり、半導体には需要サイクル(周期)があり、ずっと右肩上がりで成長してきたわけではなく、大幅な売上成長があった翌年は、前期比マイナス成長となっているケースがほとんどです。
参考までに次の図をご覧ください。
そのため今年は去年よりは注意してみる必要があります。(成長率の観点からすると、減速は十分に考えられると思います。)
しかしながら、今後の成長が期待できる点、また需要サイクルを考慮しても順調に成長してきている点等を考えると、投資する価値は十分にある業界かな、と考えています。^^
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
以上です。
※追伸※
こちらの記事では、半導体企業をピックアップして紹介していきます。
ホントは1つの記事にしようと思っていたんですけど、長くなりすぎたので分けます。^^;
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それではまた。